「うちの子の『やる気スイッチ』は・・・」という前提が間違っているんですよね
秋の面談シーズン真っ盛り。連日4~5件の塾生の面談に、ご新規の方のお問合せ・入塾面談に奔走しております。
皆様からのご相談で、しばしばお聞きするものに、「どうしたらやる気になってくれるのか・・・」というものがあります。
スクールIEさんのテレビCMにあるように、子どもの体のどこかに「やる気スイッチ」なるものが備え付けられていて、それをうまく見つけ出してONにすることができれば、子どもが何も言われなくても一心不乱に勉強してくれる・・・
ナイーヴな大人が期待するものの「うまい」比喩ですよね(ちなみに、私「ナイーヴ」という言葉は皮肉な意味でしか使いませんので悪しからず)。カリスマ的な先生に出会って、何か魔法のような言葉かけをしてくれて、それをきっかけに子どもがわき目も降らずに勉強するようになってくれれば、こんな楽な話はないでしょうから。
私の経験から言って、どんな人間にも「やる気スイッチ」なるものが入ることはあるにはありますね。私の場合は、高3の時、大学入試でことごとく不合格になり、今の自分のような状態では、世の中全く受け入れてくれないということを痛いほど知ったときですね。
本当に子どもの「やる気スイッチ」が入ってほしいと心から願われるのでしたら、当のお子さんが(自殺しない程度に)とことんまで窮地に追い込まれるところを温かく見守る覚悟を持たれるのがよろしいでしょう。
でも、ほとんどの方は、そういうことはしたくないのですよね。浪人なんてされたら「ムダな」お金がかかるし、なんといってもかわいそうだからあまりひどい「失敗」をさせないで、現役でどこかの国立大学に入ってほしい、それでお子さんには一意専心に勉学に励んでほしい。人生「失敗」しないでうまくやるための「やる気スイッチ」をだれか押してくれないかな・・・ということを期待していらっしゃる。
ま、そんなうまい話があるわけないでしょ、ということです。
たしかに、「誰にも言われずに」、夜は早く寝て朝早く起きて読書、国語の教科書や問題集を学校や塾で受け取るとその日のうちに読破、予習・復習当たり前・・・というお子さんは実在します。でも、これって、幼少期からの親御さんの多大な努力の賜物だと思うのですよね。子どもが放っておいてこんな風になることは、ありえないですから。
こうした生活と学習の習慣づけがうまくいっていない大多数のお子さん方について、私はそれを親の怠慢だとか子育ての失敗だとかいうつもりは毛頭ありません。第一うちもこんな感じです(^^;
そうではなくて、それを一発逆転で解決するような方法なんかあるわけないでしょ、という当たり前のことを保護者の皆様には認識していただきたいのです。
では、どうしたらよいのか。それは、それなりに頑張ってやっていける具体的な方法を示すことだと思います。
例えば、国語道場では中学生の授業は、標準コースを受講していただければ、通い放題になっています。自力ではなかなか勉強できないのであれば、毎日塾の授業を入れてくれればよいようになっています。
また、家庭学習をまったくやらないのであれば、毎日道場の自習室に来て、勉強させてください。大体、家で勉強なんてできるわけないじゃないですか。テレビがあれば見ちゃうでしょうし、PCやタブレットなんかあれば、そりゃYou tubeやニコ動ばっかり見ますよ。
子どもの「やる気スイッチ」が入って、火の玉のように勉強してくれるようになるなんて、おとぎ話のような話を大人は信じるべきではありません。子育ては、子どもというある程度独立した人間と対峙する外交のようなものです。子どもに望ましい行動を期待するならば、知恵と工夫を使うことが必要です。
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