「うんこ漢字ドリル」はアリか?
昨日の「朝日小学生新聞」にも紹介されていましたね。
すべての例文に「うんこ」が使われているのがクソ、ではなくてミソのようです。例えば、「青い空にうんこを投げる」といった感じ。
娘(小4)のピアノ教室の帰りに書店で平積みになっているのを私も見ました。娘とゲラゲラ笑いながら立ち読みしました。
問題集やドリルに「うんこ」が出てくることでどういう効果または弊害が出てくるか、考えたところを書いておきたいと思います。
基本的に、このドリルはアリなんじゃないかと思います。なんて言うまでもなくけっこう売れているんですよね。
立ち読みをしているときの娘の様子を見ていると、次はどんな例文が出てくるんだろう、他の学年のには何が書いてあるんだろうという感じでどんどん見たがります。やっぱり子どもはうんこネタが好きですね。通常のドリルではなかなか勉強を進めてくれないお子さんでも、いいペースでやってくれそうな気がしました。
しかし、最も大きな効用と考えられるのは、漢字の練習とは違ったところにあるように思います。
このドリル、大の大人がおバカな例文を一生懸命ひねり出して作っているものです。そんなことから、書くということは本来自由なものだということを子どもたちに伝えられるんじゃないかと思います。
作文がどうにも書けないというお子さんがいます。その原因の一つに、何かまじめな、いかにも「学校の作文」といった感じのものを書かなければいけないんじゃないかという思いが強すぎるということがあります。
本来書くのは自由。「そんなこと書いていいの?」なんてものは存在しない。それが分かれば、ものを書くときの子どもの頭脳がより柔軟になるのではないかと思います。
心配なことも一点あげておきましょう。これは子ども自身よりも、このドリルを与えようと思う親御さんのほうの心配ですが。
こんなドリルを与えようと思うからには、子どもにとってつまらない勉強を何とかやらせようと考えていらっしゃるのではないかと想像します。受けるネタを思いつかない芸人が、下ネタに頼るようなものでしょうか。
しかし、本来勉強そのものは、下ネタなんか入れなくても面白く、興味深いものなのだということを、保護者の皆さんはくれぐれも忘れないでください。
以前の記事で、罰として漢字の書き取りをやらせる不心得な教師の話をいたしましたが、どうも勉強を報われない苦行のようなものと勘違いしている大人が少なくないようです。漢字の勉強はそもそも興味深いものですが、それを下ネタでも入れないとやっていられないような退屈で苦痛なもののように勘違いしてはいけませんし、ましてそのような間違った観念を子どもに植えつけることにならないよう注意が必要です。
自然体験をするとか、博物館に出かけるとか、様々な教育的な体験がありますが、「うんこ漢字ドリル」もそのうちの一つとして与えてみる。あくまで、こんなドリルもあるんだよといった形で、バランスよく学びの材料を与えていかれるとよいと思います。
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