2017年11月15日 22:32

「志望動機書」の書き方が分かりません

 今日、中3受験生からこんな相談を受けました。

 「先生、もうこの『志望動機処』の書き方が分かりません」

 「あれ、これってこの間僕が見せてもらって、OKって言ったやつだよね?」

 「そうなんですけど、担任に『これじゃどこの学校に出しても同じだから書きなおせ』って言われたんですよ」

 今の時期、中3受験生は第1志望が公立高校でも、併願の私立高校をどこにするかを決めなければなりません。「志望動機書」は、その私立高校を受験する上での決定理由を中学校に提出するもののようです。なんて言うとどこの中学か分かってしまうかもしれませんが。

 今回の件、この間の日曜道場の時に彼女の「志望動機書」を見せてもらっていたんですが、明らかにおかしいところ以外は私は彼女が自分なりに書いたものを尊重して、あえて内容はそのままの状態でOKを出していたんですよね。申し訳ないと思っています。

 う~ん、でもそうですねえ。

 まあ、いいじゃないですか、どこの学校に提出しても同じような志望動機書でも、って思っちゃいます。

 そもそも、一部の例外を除いて、ほとんどの学校が「独自に力を入れていること」なんて、実はどこでもやっていることだったりします。いわく「英語教育に力を入れています」、いわく「進路指導に力を入れていて、補習を実施しています」などなど。合同の学校説明会などに行ったことのある方でしたら、結局どこも同じようなことを言うのねと思われるのではないでしょうか。

 多分これはマーケティング的に合理的なんだろうと思います。何か他と違う飛びぬけたものがない場合、学校は多くの生徒や保護者の皆さんが望むようなものを用意するでしょう。結果として、場所以外はどれも同じようなものになっていきます。

 そりゃ、「志望動機書」だって、どこに提出しても同じような内容のものになりますよ。だってどこも同じようなものなんですもの。

 それからもう一点、もうちょっと真面目な(今までのはまじめじゃないのか(^^;)理由。

 高校進学率は、昨今ほぼ100パーセントです。事実上義務教育と言っていいです。

 こういう状況で今回の「志望動機書」のようなものは、どういうことが重要になってくるでしょうか。

 それは、人並みのことが書けているかどうかということではないでしょうか。

 公立高校入試では、「特色化選抜」時代に始まった「志願理由書」も、(現在ではほとんどの学校で提出を求められなくなりましたが)扱いはあくまで参考程度となっているのは、人並みのことが書けていればそれでよいという理由だと想像しますし、それでよいと思います。

 もちろん、採用されるのが圧倒的に少数である超人気企業の志望動機が人並みでは到底勝負にはなりませんから、いずれ自分は何をどうしたいのかについて突き詰めて考える必要はあるのですが、高校入試の現状のシステムを考える限り、ここであまりにも個性的なものを要求するのは、その先生ちょっと意地悪かなと思ったりしてしまいますね、はい。

 高校入試の合否に関わる決定的なファクターは、もちろん学力です。その向上に子どもたちが集中できるように、学校の先生方はサポートしてあげてほしいなと願います。

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