「成績保証」とかいう不当表示をする塾と、そんなことはしないまっとうな塾がある
国語道場は、西千葉の地に創業して今年で17年目になります。
ここまで続けてこられたのは、まず地域の皆様のご理解があってのことですが、私自身の、塾運営についての研究や創意工夫があったことも事実です。その努力の中には、他の塾さんがやっていらっしゃることを知るということも含まれます。
そんな中に、「1教科+20点保証」ということをうたっているチェーンの個別指導塾さんがあります。そこの職員さんとあるとき知り合いになりまして、お話を聞く機会がありました。
初めて「1教科+20点保証」と聞いたとき、私は大いに驚きました。どういう点で驚いたかと申しますと、「1教科+20点保証」ということは、
①その塾の生徒全員のテストの点数を必ず20点上げるということか
②1教科で20点あげるということは、5教科で100点上げるということか
③いつも今よりも20点以上高い点数を取れるようにするということか
と思い、大いに驚いたわけです。
これはすごい!そんなことをどうやって実現するのか、可能な範囲でぜひ教えてもらいたいと本気で思いましたね。
皆さんはどうですか?「1教科+20点保証」とか、「+25点保証」とかいうことを聞いたら、その塾に入ったら、みんなが今よりも1教科当たり20点とか25点とか高い点数をずっととれるようになるんじゃないかと感じませんか?
で、そのチェーン個別指導塾の人に聞いてみたんですが、これまた驚いたことに、この3つとも全部間違いだということを知りました・・・。
まず①。その塾に入ったらみんな1教科+20点を保証してくれるのかということですが、なんとそうではなく、
「成績保証」は別料金だそうです( ゚д゚)ポカーン
「成績保証」というのは、指定する教科だけで少なくとも週に2回以上塾に来ることとか、欠席や宿題忘れがあると(それも結構条件が厳しい)保証から外れるとか、そういう何が得なのかよく分からない条件をのんだ人だけに与えられるものだそうで、それ以外の塾生は関係ないということでした。
う~ん。つまり塾の中に、成績を上げる約束をしている生徒と、別に成績が上がらなくてもいい生徒がいるということなんですかね(^^;
「え、でも◯塾さんの看板やネット広告には、でかでかと『1教科+20点保証』って書いてあるじゃないですか!それって不当表示じゃないんですか?」と突っ込んだことも聞いてみました。
「ま~、一応面談の時に説明しているので問題ないと思います」とのお答え。
しかし、これ、景品表示法を素直に解釈すれば、明らかな不当表示(有利誤認)だと思いますよ。看板にもネット広告にも、でかでかと「+20点保証」だの「+25点保証」だのと書いておいて、実はそれは別料金で、そのことはパンフレットなどに小さく表示されているだけなんて、典型的な不当表示の手口です。広告を見た人を、「すごい、1教科+20点保証なんだ」と誤認させて問い合わせをさせようという魂胆が見え見えですからね。
②について。1教科で+20点だったら、5教科で+100点保証ということなのかですが、これも間違いだそうです。そもそも、「成績保証(オプション・別料金プラン)」がつけられるのは、数学と英語だけということでした( ゚д゚)ポカーン
あ、ここから、◯塾さんが公正取引委員会や消費者庁からにらまれないように、親切心から「成績保証(オプション・別料金プラン)」と書いてあげることにしました。
上にも述べたとおり、この「成績保証(オプション・別料金プラン)」は、対象教科1つにつき少なくとも週2回以上通うこととか、欠席や宿題がちょっとあると保証がなくなるという、誰得プランです。
驚くのはその費用。例の知り合いに見せてもらった料金表からざっと計算してみたのですが、例えば数学1教科を「成績保証(オプション・別料金プラン)」で受講すると、年間授業料が数学1教科だけで50万円を超えてしまうんですね。
数学1教科の定期テストの点数を20点だか25点上げるために年間50万円ですか・・・。もちろん数学・英語2教科なら優に100万円を超えます・・・。富裕層すごいな。いや、こんなのやるの、単に掛け算と足し算ができない人なんじゃないのかと思ってしまいますね。そこまでして数学・英語2教科で40点上げるくらいなら、国語・数学・英語・社会・理科の5教科をそれぞれ10点ずつ上げれば、5教科合計50点アップになるんですがねぇ(^^;
そしてラストミステリー③。「1教科+20点保証(オプション・別料金プラン」とは、今よりも20点取りつづけられる学力にまで子どもを成長させることなのか?ということについて。これもNO!
なんと、1回でも入塾前の点数より20点以上高い点数が取れれば、ミッションクリアということなんだそうです。あとは下がっちゃっても「保証したことになる」ということです( ゚д゚)ポカーン
いや、定期テストの問題なんて、回によって難易度が大きく変わるじゃないですか。易しい問題が多く出題されたり、たまたま本人の得意な範囲に当たったりすれば、ラッキーで20点とか30点なんて上がることがありますよね。それでも「成績保証達成」となると・・・。
要するに、子どもを今よりも常に20点以上高い点数が取れるような学力を持つ者に育てるという話ではないんですね(;´д`)トホホ
まあ・・・、私の勉強にならないどころか、ばかばかしいという感想しかありませんでした。それでも、こういう話に引っかかってしまう人も結構いるんだろうなとも思いました。
成績などというものは、頭がよくなれば結果として上がるようになるものです。頭をよくする最も有効な方法は、書かれていることを正しく理解できる読解力をつけることです。数学でも英語でも、理科でも社会でも、成績を上げたいのであるならば、まずは国語力が大切に決まっているわけです。
貧すれば鈍すと言います。お子さんの勉強を心配するあまり、そういうことも分別が付かずに、目先の点数アップに血眼になって、視野狭窄に陥らないようにしたいものです。
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