2017年08月23日 17:06

「掃除ができない」人は勉強もできない

 塾の勉強会に参加したときに勧められて、最近ロボット掃除機を購入しました。

 いや、これは良いですね。なぜもっと早く買わなかったんだろう。

 夏期講習中は、毎年掃除がなかなか行き届かなくて、それが少々悩みの種でした。なにぶん朝から晩まで授業を実施していますからね。

 それが、ロボット君のタイマーをセットしておけば、夜中に勝手に掃除をしてくれるわけですよ。お蔭で今年の夏期講習は、いつも床がきれいでよかったです(^^♪

 国語道場は、床がほとんど平らなのでロボット掃除機をすぐに導入できましたが、個人の家では現状まだまだ難しいところがあるかなと思いました。これからの時代、家の作りやうは、ロボット掃除機をむねとすべしとなっていくんじゃないですかね。

 以前は、道場の講師たちと一緒に掃除をすることがありました。

 国語道場の先生たちは、今は全員千葉大学の学部・大学院の学生です。それ以外に、東大、茨城大、中央大などの大学の学生、卒業生がいました。

 ま、要するに一流大学の学生さんと言っていいと思います。高校入試レベルだったら初見の難問でも適切な解法を導き出し、生徒たちに解説することができます。

 こういう学力の高い人たちと掃除をしていて気づいたのは、「掃除ができない」人っていないなあということです。

 ここで、「掃除ができない人」はいないと言っているのは、彼らの住んでいる部屋がいつもきれいに片付いていてピッカピカだということではありません。そもそも彼らの部屋なんて見たこともありません。

 そうではなくて、純粋に掃除という作業を高いクオリティーで完遂できるという意味です。いわゆる、「四角な座敷を丸く掃く」ような人はいないということですね。

 小・中学校での清掃なんかだと、結構いい加減なのがいますよね。ゴミが落ちているのが傍目にも分かるのにそっちには目もくれず、ただホウキを動かしているだけのような者とか、そもそもずっとしゃべっていて作業しない者とか。

 世には「掃除ができない」人はたくさんいるのに、一流大学に入る学生さんにはそういう人はいないというのはなんでなんだろうと、少々不思議に思ったことがあります。

 「そりゃ、能力が高いんだから、何でもできるんじゃないの?」と言う方もいるかもしれませんが、高学歴でも字が汚いとか、車の運転がヘタとか、喋るとグダグダになるとかいうことは結構あるのですよ。でも、掃除に関しては、自分の部屋は散らかっているかもしれないけれども、掃除という作業はみなちゃんとできる。床を掃けと言われれば、ちゃんと部屋の隅から掃いてくる。

 学力と掃除と何か関係があるのかなあとあれこれ思いめぐらして、彼らはものごとのポイントをつかんで行動するから、学力も高くて掃除もちゃんとできるのではないかという考えに逢着しました。

 どういうことか。掃除のポイントとは何かというと、それは室内のゴミをなくし、汚れを取ることにあります。そのための作業として、ハタキではたく、ホウキで掃く、掃除機で吸う、雑巾で拭くというものがあります。

 学力の高い学生がちゃんと掃除ができているのは、掃除のポイントが室内をきれいにすることであることを分かったうえで、その手段としてホウキなどの掃除具を使うことができているからです。ものごとのポイントをつかんで行動するから掃除ができるというのは、こういう意味です。

 これに対し、「掃除ができない」人は、掃除のポイントが室内を清潔にすることだということを分からないのか、どうでもいいと思っているのか知りませんが、形だけホウキを動かすようなことをやっている。部屋も一向にきれいにならない。

 ここまで考えて、おやおやこれはちょっと大変なことかもしれないぞと思い始めました。「掃除ができない」ことは、やっぱり学力が低いことと関係があるかもしれないと思われてきたからです。

 「掃除ができない」とはどういうことだったかと言いますと、掃除のポイント――部屋をきれいにする――ということを無視して、ただ形だけホウキを動かすとか、雑巾で床をなぜ回すとかいったことをしていることでした。でも、こういうことって勉強においても結構あるのではないでしょうか。

 漢字練習。これはもちろん漢字を覚え、使えるようになるためにするわけです。でもそういうことを考えずに、ただ5回書けと言われたから形だけ5回書くとか、ノートに1ページ書くとか、そういう形だけの「漢字練習」をしているだけの人はいませんでしょうか。

 計算練習。言うまでもなく正確な計算力を身に着けるための鍛錬ですが、きちんと筆算もせずに帳面の端の方にごちょごちょ計算したりできもしない暗算をしたりしてテキトーに答えを書く、間違っていたら何がいけなかったのかを見直すこともなくただ赤ペンで答えを写す・・・、そんな感じでやれと言われたページを終わらせるだけ。そんな「計算練習」をしているだけの人はいませんでしょうか。

 学力を伸ばす、成績を上げるためには、何事も実のある取り組みをしなければなりません。人によっては、自分がこれまで当たり前だと思ってきた「お勉強」の習慣を根本的に改めなければいけない、人間を入れ替えるくらいの努力が必要な場合もあります。

 ドリルを買ってやっても、塾に行っても成績が一向に上がらないという人の多くは、ものごとのポイントを押さえて、それを完遂するために勉強をするのだという視点が欠けていて、おざなりな勉強に終始しているということが言えるのではないでしょうか。

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