「日本で育つ海外からの移住者の子どもたちのため」
小4の娘から学校の話を聞いていると、外国人の児童生徒はずいぶん多くなったなと思います。
私の中学校は1クラス45人で1学年13クラスありましたから、1学年に600人近い生徒がいたことになりますが、外国人がいた記憶が全くないです。今のように東南アジアや中東など様々な地域の民族の子どもたちが一般的な公立学校に通っているという状況には、隔世の感があります。
彼らの中には、いずれ母国に帰って進学するなり就職するなりする人もたくさんいるのかと思いますが、子ども時代から生活して住み慣れた日本に残るという人もまた多いことでしょう。
そうすると、高校受験というリアルな問題に彼らは直面することになります。塾という仕事を20年以上続けていると、この子どもたちは結構大変なんだろうなあと強く想像されます。
というのも、かねて繰り返しここでも申し上げていることですが、日本の中学校でしかるべき成績を上げるために必要な日本語能力は、結構高いわけですよ。語彙力で言えば、30,000語です。
この30,000語、はっきり言って日本人の子どもたちにとってもなかなか大変な量なんですが、外国人ともなるともっと大変だと推測されます。外国人のための日本語能力試験というのがあります。これの一番上の階級がN1というそうですが、そこで必要とされる語彙数が10,000語なんだそうです。10,000語というと、ネイティヴな日本人なら小学1年生レベルです。
外国出身者からするとかなり大変な語彙力10,000語でも、これくらいでは日本の高校では入れるところはかなり限られてしまうでしょう。外国人でも小学校から通っている子どもなら、もう少し状況はよいのではないかとも想像しますが、ご両親が外国人となると、家庭で使われる日本語の量やレベルはかなり限られてくるでしょうから、初歩的な段階で結構大きなハンディを背負ってるのではないかと思います。
先月、私が崇敬してやまない皇后陛下が、お誕生日に例によってコメントを発表されているのですが、そこに次のような一節がありました。
この1年を振り返り,心に懸かることの第一は,やはり自然災害や原発事故による被災地の災害からの復興ですが,その他,奨学金制度の将来,日本で育つ海外からの移住者の子どもたちのため必要とされる配慮のことなどがあります。
う~ん。皇后陛下もご心配になっているのですね。
というわけで、国語道場でご提供している読書指導「ことばの学校」について、簡単な説明をロシア語で書いてみました。今後少しずつ詳しくしていく予定です。
「ことばの学校」は、良書をたくさん読んでいくことを通して、あらゆる学びの基盤である日本語力を極めて効果的に伸ばすことのできるプログラムですので、外国人の子どもたちにとってもとても役に立つものと確信しております。
まあ、そもそも西千葉周辺にどれくらいロシア語を読む人が住んでいるのかも定かではないのですが(^^; 皇后陛下のお言葉に励まされてやってみましたので、ご縁がありましたら是非という気持ちです。
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