2018年01月22日 21:21

「本番が一番楽だった」という状態にする

 評論家の西部邁さんが亡くなったんですね。

 初めて西部さんの文章を読んだのは、大学受験向けの問題集でした。

 高校受験までの中学生向けの国語の読解問題というと、環境問題でも文明の問題でも、ナイーヴなきれいごと的な文章が多いですよね。大学受験勉強で西部さんの文章を初めて読んだ時の感想は、非常に愉快なものでした。中学生向け文章の子どもだましで図式的な議論と違い、現実に向き合ってそこからものを考えている人が書いている文章だなと思いました。

 文章を読む、読めるということは、すでに知っていることや信じたいことを、自分が理解したいように言葉を拾っていくようなことではなくて(このような人はたくさんいますが)、いろいろな立場の人の考え方を客観的に理解できるようになることなんだなと知ったきっかけとなったのが西部さんの文章でした。個人的に何の接点もない人ではありますが、その点で今でも感謝しています。

 さて、国語道場の千葉県公立高校過去問演習会「カコモンGO!」。昨日第2回目が終了しました。先週の第1回目では平成26年度の前期選抜の問題に取り組み、今回は27年度前期選抜の問題に取り組みました。

 平成26年度→平成27年度では、5教科の平均点が約15点上がっています。そうなると「カコモンGO!」の参加者の得点も当然上がらなければいけないわけですが、全員が前回より20点以上、つまり平均点の上がり方を上回って得点できていました。

 これにはやらせている方もほっとしましたが、昨年の実施状況から十分想定したていたことでもありました。

 過去問演習は、もちろん個人差はありますが、回を重ねるごとに参加者の得点が伸びます。入試には同じ問題はそうそう出ませんが、問題の出し方には一定のパターンがあるので、いくつかの年度のものを練習させることで、テストを受ける方はどのあたりで確実に得点していこうということが分かってくるのでしょう。

 まあ、今年度はまだ2回目ではありますが、ここまではほぼ狙い通りといったところです(^^♪

 実は、この「カコモンGO!」という勉強イベントにはもう一つ狙いがあります。

 「カコモンGO!」の一つの特徴なんですが、とにかくきっついです。朝9時半に1教科目の国語のテストがスタートしますが、各教科間の休憩時間は5分で、14時までぶっ通しで5教科、一気に受け続けます。

 本番のテストは、教科間の休憩が10分で、最初の国語・数学・英語の3教科が終わったところで昼休み、それから午後に残りの理科・社会の2教科を受けることになっています。

 何でそんなにきつきつに受けさせるのか。これにはちゃんと狙いがあります。つまり、本番よりも厳しい条件で練習させるということです。

 マラソンでも高地トレーニングというものがあるそうです。大きな大会を前に酸素濃度の低い高地で練習をするということですね。こうすることで、本番のレースではお釣りの出るくらいの体力・精神力をつけるというものです。

 勉強もですね、スタミナが必要なんですよ。一通りのことをきちっと勉強して身につけておけば、本番のテストは大丈夫というわけにはいかないことも多い。100パーセントの力を出し切らせるために、練習では2割増し3割増しくらいの体力・精神力を使わせて、本番が一番楽だったと感じられるようなところまでもっていって入試に送り出してあげたいと思っています。

 昨年度も「カコモンGO!」参加者は、練習でのどの回の得点よりも本番での得点が高かったのですよね。今年もそれを目指しています。

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