2015年12月01日 10:53

「30㎝竹尺の入れ物を作ってください」と学校から言われた・・・

 小2の娘の学校の算数の授業で、30㎝竹尺を使うのだそうだ。

 21世紀にもなって竹尺かと思ったが、さらに驚いたのは、何でも「危険だから」竹尺は教室に置いていかなければいけないのだそうで、さらに布などで作った入れ物に収納しておかなければいけないんだとか・・・。

 最近の学校は正しい竹尺の使い方も教えていないのかと・・・。あれはランドセルのわきに差しておいて、戦うときに使うものだ。

 ↑イメージ

 それは冗談として、今の時代に30㎝竹尺なんて、教育の形骸化のシンボルでしかないなあと感じた次第。大体、皆さん生活や仕事の場で竹尺なんて使っているのだろうか?少なくとも私は学生時代を通して竹尺なんて、長さを測る、直線を引くという用途で使ったことがない。

 日本の子どもの問題点としてあげられることの一つに、学力は高いが意欲が低いということがある。

 何でもかでも学校で勉強したことなんて何の役にも立たないなんてうそぶいている人間は軽蔑すべきだが、かといって、どう考えてもこれは現代の生活の中で必要なこととずれていますよねってことを子どもに学ばせることはよくないと考える。なぜなら、そういう形骸化したものを押し付ける指導姿勢が、子どもの学校や勉学に対する信頼を失わせ、学習意欲の低下に結びつくと思うからだ。

 ネット上の情報をいろいろと調べていると、面白い記事があったんで紹介したい。安原製作所さんという、もともとは光学機器のメーカーのようだが、こだわりの竹尺を作っている会社さんのコラム。竹尺に関する巷説を、事実に基づいて痛罵していて面白い。

 竹尺は材質の伸縮による目盛りの変動が小さいことから正確に測れるという言説に対し、

「ちゃんと科学の勉強をしていない人がデータを扱うとすぐこんなことを言い出す。それを自分で考える力がない人が『なるほど』と広めてしまう。『竹尺は温度で伸び縮みしないので長さを正確に測れる』という考えには測定する物体の伸び縮みが考慮されていない」

とこんな感じ。大変勉強になった。

 こんなことを言いながら、こだわりの竹尺を作っているところがまたいい。

 いいというか、大事なことだ。道具を使う人間も、自分の勉強や仕事の用途から、何を使っていくかこだわりぬいて選びぶくべきだと思っているからだ。あれこれ考え抜いて、やっぱり竹尺だという結論に達して使っている人がいるとしたら、それは立派だと思う。

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