【悲報】千葉県公立高校入試一本化はまたしてもお流れ
昨日は、千葉県教育会館で今年度2回目の入試改善協が行われたので、その傍聴に行きました。
「入試改善協」とは、「千葉県公立高等学校入学者選抜方法等改善協議会」の略称です。この協議会のメンバーは、高校や中学校、小学校の校長先生、PTAの代表、教職員組合の代表など、15名ほどです。千葉県公立高校入試のやり方を決めるのは千葉県教育委員会(県教委)ですが、入試改善協のメンバーに対し県教委は自分たちの進めていることを報告し、彼らの意見を聞くことになっています。
千葉県の公立高校の仕組みがどうなるかについて、最終的に決定される前にその情報が公にされるのは、この入試改善協においてだけです。しかし、そのメンバーには、上記のようにPTAの代表も2名いますが、そこから千葉県内の保護者の皆様に情報が伝わることはまずないでしょうから、市民による傍聴、マスコミによる報道が重要になります。
ただ、昨日の協議会の取材に来ていた報道関係者は0でした。今朝の千葉日報にも何の記事もありませんでした。公立高校入試制度についてはほとんど年がら年中、今にも前期・後期制が終わって一本化されるかのような、何の根拠もないうわさが、保護者の皆さんの間に流れています。これは、高校入試制度のように県民の関心が高い問題について、その決定の経過からきちんと報道していないマスコミの責任が大きいと思います。
さて、昨日の会合で「決定」が明らかになった、我々や子どもたちにとって重要な事項は、前期・後期入試がまだまだ当面続くということです。「当面」とはどれくらいかといいますと、少なくとも今の小学6年生が高校受験をするときには、まだ前期・後期入試が続くということです。下手をすると、今の小学5年生が高校受験の時も、一本化されない可能性が出てきました。
どうしてそう言えるのかと申しますと、県教委は、なんとこれから入試制度について専門委員会を作り、今の中学3年生たちに、高校受験が終わった段階でアンケートを実施し、その結果を集計・分析すると昨日発表したからです。
県教委は、入試制度の大幅変更を行う場合は、遅くとも対象の生徒が小6から中学に上がる前には発表することにしています。しかし、今の中3受験生たちの入試が終わってからアンケートを実施するとなると、今の小学6年生が進級する来年4月よりも前に集計・分析を終了して、入試制度変更を発表することはまず不可能でしょう。したがって、現在の小学6年生が高校受験をするときになっても、現状の前期・後期制は存続すると断言できます。
さらに言うと、県教委は、実は過去2年間にわたって、これまた入試動向調査と称して、入試を終えた元中3受験生に対し、アンケートを実施してきていたのです。もしも県教委がこれから実施するアンケートも、過去の例と同様に2年間にわたって実施するとなると、今の小学5年生が中学に進級する際に入試制度変更を発表することもできなくなります。そうなると、2021(平成32)年になっても千葉県は公立高校入試を一本化しないことになりますが、どうなるでしょうか・・・。
県立高校の校長先生の8割以上、県内公立中学校の校長先生の7割以上が、公立高校入試は一本化されるべきだと考えていることが、昨日の協議会で発表されました。PTA代表の親御さんたちも、前期・後期入試のデメリットを指摘していました。協議会では、出席メンバーのうち1名が一本化に慎重との意見を表明しましたが、そのほかは一本化に進むべきとの意向です。
にもかかわらず、県教委の、実にこれから専門委員会を立ち上げ、今の受験生たちに入試後アンケートを実施する計画を発表する姿勢には、非常に違和感を覚えました。入試改善協メンバーが何を考えていようと関係なく、県教委が決めたことをやるというのならば、こういう協議会を開くこと自体がムダです。第一、入試の実施回数を2回にするか1回にするか程度のことを決めるのに、アンケートとその集計・分析だけで3年以上かけるというのは異常なことのように思われました。
まあ、県教委に対してはいろいろと思うところがほかにもたくさんあるのですが、とにかく、千葉県公立高校入試の一本化は2020年度入試まではありません。
「もうすぐ一本化されるらしい」などといったうわさは全てデマですから、信じないように、また無責任に流さないようにしましょう。
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