2018年10月29日 16:23

お子さんに言葉を聞かせていますか?お子さんの言葉を聞いていますか?

 先日の記事でも、子どもたちの言葉の経験が貧困になっているのではないかということを書きました。そもそもいろいろな言葉を耳にすることが少なくなっているのではないかということです。

 中学生の定期テスト範囲の漢字の読み取り問題を解かせ、チェックをしていたときです。例えば、「爪先(つまさき)」という漢熟語の読み方を、

《つめさき》

と書く生徒が何人かいたりするわけです。

「あのさ~、この《つめさき》っていうものは一体何なわけ?」

「いや、分かりません。」

「はぁ~。それって、自分で何なのかわからない言葉を書いてるってこと?」

「・・・」

 何と言うか、生きた言葉が身についていない子どもが、最近多くなっているのではないかと思うことがよくあります。

 そんなわけで、別の記事では、スマホやタブレットで動画ばかり見ているくらいだったら、せめてテレビでも見てくださいよということを書きました。

 子どもの読解力がないとか、文章題ができないという背景には、そもそも子どもが家庭などでまともな言葉に触れる機会が少なくなっているのではないかという問題意識を持っているのですが、そんな中、このような記事を見つけました。

   親子関係の貧困化は学力に関わる 朝食は簡素でOK

 教育社会学者の舞田敏彦先生の記事ですが、なるほどな~と思わされることしきりでした。ぜひ皆様にもご一読をお勧めいたします。

 記事によりますと、親子の会話が多いか少ないかということと、勉強の得意意識との間には相関関係があるそうです。親子の会話が多いという子どもたちの場合、自分は勉強が得意であるかどうかについて、「とてもそう思う」と「少し思う」の割合が半分以上であるのに対し、親子の会話ないという子どもたちの中では、自分は勉強ができるかといわれて「とてもそう思う」、「少しそう思う」と答える割合は3割を切ってしまっています

 さらに興味深いのは、親子の会話の多寡と、教科別に得意かそうでないかを比較した結果です。国語を得意と思うかどうかを表すグラフの傾きは、衝撃的ですね。家庭での会話が多いという子どもの場合、国語が得意だと答える割合が32パーセントくらいです。それに対し、家庭での会話がないという子どもで、国語が得意だと答える割合は、わずかに12~13パーセントくらいまで低下します。

 もう、まったく私の思っていた通りの結果です。どうかお父さん・お母さん方、お子さんに積極的に自分の言葉を聞かせ、お子さんの話に耳を傾けてあげてほしいと冀いますね。

 まず、親やまわりの年長者の言葉を子どもたちの耳に触れさせることです。子どもは自然とそのような言葉を真似してしゃべるようになります。そうすることで言葉は身についていきます。学校や塾などで改めて言葉を学ぶのはそれからが望ましい。文字を読んだり書いたりすることで、よりそれらの言葉の理解が進み、しっかりと定着するでしょう。

 「その言葉を聞いたことがある」という経験が何よりも大切です。なんとなく使われているのを聞いたことがある言葉は、文字を学ぶことで十分使いこなせる語彙になります。

 国語道場が西千葉地区で独占的にご提供している読書指導「ことばの学校」ですが、この中心的なアクティヴィティはプロのナレーターの朗読音声を聞きながら合計300冊もの本を丸ごと読んでいくというものです。この、「音声を聞きながら」というところが本当にいいんですよね。

 「ことばの学校」受講者の語彙力が、非受講者よりも優れていることは、「読書指数診断」などの調査で明らかになっているのですが、言葉の音声を聞きながら文字を読むという経験が、より効果的に子供の語彙力を伸ばすことに結びついているのだと思います。

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