「ほめられない」お母さんのためのほめるコツ
とあるお母さん方の会合で、一人のお母さんが、「やっぱり子どもはほめた方がいいんですかねえ」といったことを相談されていました。
それはそうでしょうねえというアドヴァイスをもらって、その時はそれで納得されたようでした。
しかし、その後、別の機会で同じ方のご相談を耳にすることがありました。結局あまりほめていないということでした。
「何をほめていいかわからないんです。ほめるところがない。」
こんな感じで、子どもを「ほめられない」と悩むお母さん方は少なくないように思われます。
また、ネットでちょっと検索してみましても、「子どもはほめて育てましょう」という意見もあれば、「子どもをほめてはいけません」なんて意見も同じくらい見つかります。どっちやねんと言いたくもなりますね。
基本的に、ほめない子育てなんてありえないです。
それでも、「ほめられない」と悩むお母さん方がいたり、「ほめろ」・「ほめるな」なんて両極端の意見が氾濫したりするのも、根底には、ほめるべきポイントとその結果を大げさに考えすぎているということがあるように思われます。
つまるところ、ほめる勘所が難しいというか、分かりにくいということがあるのでしょう。
「ほめられない」、「ほめるところがない」という方は、おそらく、「ほめるに値する」ような大実績を子どもが上げることを期待しているんじゃないでしょうか。
また、「ほめること」で子どもが劇的に大成長してくれるものだという思い込みがあるのではないでしょうか。
さらに、「子どもをほめるな」なんて頭から血が吹き出しそうになりながら言い張る方に至っては、「そんなに子どもをちやほや扱っていたら、ほめられなければ何もできないような軟弱な人間に育ってしまう」なんて観念にとらわれてしまっているのではないでしょうか。
いずれも、要は大げさなんですよ。
ほめて育てたところで、短期的には人間良くも悪くもなりません
/(^o^)\
子どもをほめることで目の前で起こることなんて、自転車のチェーンに油をさしたら少し走りやすくなった程度のことですよ。
でもそれが大事。継続と積み重ねで、子どもの伸びしろが広がります。
子どもをほめる勘所、コツは、
ささいなことをほめる・ほめたことでなにか変わるなんてことは期待しない
というところにあります。
例えば、子どもの実力テストの偏差値が40から42になった。
これ、ほとんどのお母さんは固まってしまう局面ですね。
しかししかし、はっきり言いましょう。そこで「ちょっと上がったね。頑張ったね」とさらりと言えるかどうかで、親の価値が決まると申して過言ではありません。
こういう些細な変化に気づいて、言葉が出せる。このフットワークといいますかマウスワークといいますかが、ほめることの勘所であります。
何度も参照しますが、かつてお子さんの偏差値を40上げたお母さんは、やはりこういうことができていたんですね。
難しいことではありません。まずは、「いいね」といってみることです。やっているうちに誰でもできるようになります。
私の持論ですが、犬をほめるのと同じ感覚です。
お座りができたら「グー」、待てができたら「グー」。
同じように、それこそ鉛筆が正しく持てたら「いいね」、しっかりとした筆圧で文字が書けたら「いい字だね」。こういう感じです。
こんなふうに言うと、人のこと犬を同じにするのはけしからんなんて怒られるかもしれませんが、本当にそれでいいんですよ。
先日、ツイッターのタイムラインに、帯広畜産大学の渡邊芳之教授(心理学)のツイートが流れてきました。
まあ、心理学の専門家が言っているのだから、やっぱりそうなのでしょう。私の日頃の感覚が正しいと言われたようで、自信を持ちましたね。
ほめることで、何か「やる気スイッチ」みたいなものが入ってめざましく頑張るようになるなんてことはありませんが、平生から何かあるごとにほめるようにすることで、人も犬も前向きになる、性格も素直で温和になる、ひいては成長のポテンシャルが高まっていくのだと思います。
どうでしょうか。犬に、「あら、いい子ね」なんてほめるような感覚で、お子さんも、ささいなことを軽くさらりとほめてみましょう。
劇的な効果なんて期待する必要はありません。たまにやる気を示すこともあるかもしれませんが、そんなものもってせいぜい30分です。でも、それで良いのです。
そういうことがわかっていれば、「ほめてみたけど、全然やる気にならない」なんて見当違いなことで腹をたてることもなくなるでしょう。
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