2019年07月17日 23:06

とにかく触れている言葉の量が少なすぎるんですよ

 だいぶ前のことになりますが、中3の社会の授業でのこと。

 裁判所が、法律などが憲法に違反していないかどうかを審査する権限を「違憲審査権」と言います。どうも教えている生徒が、この「違憲審査権」という言葉の意味を分かっていない様子でした。

「つーか、『違憲』ってどういう意味か分かってるの?」

「あ、はい。」

「『違憲』の「憲」は?」

「『憲法』の『憲』です。」

「そうそう。じゃ『違憲』ってどういうことよ?」

「違う憲法。」

「・・・」

 「読んで字のごとし」ということわざがございます。書いてある字を見りゃ意味が分かるだろ、という意味ですね。しかし、子どもたちの場合、まだそうはいかないことも少なくないようです。

 まず、漢字の一つ一つの意味をあまり考えずに漢字を覚えているようなお子さんですね。これだと一つ新しい熟語に出会うたびにその意味を改めて覚えなければいけないという、かなり効率の悪い勉強をしていかなければなりません。

 まあ、仮にそのような勉強を長年やっているとしても、次第に漢字の意味から言葉の意味を類推できるようにはなっていくものです。国語の読解問題を解いているときにちょっと見慣れない言葉に出会っても、漢字の意味と文脈から、だいたいこういう意味かなということが類推できるようになります。語彙力が、また新たな語彙力を生むような段階です。

 しかし、こういうことができる時期にはどうしても個人差があります。文章を読むにも理解できない言葉が多いために十分に読解できなかったり、上に挙げた例のように「違憲」を《違う憲法》のことだと思い込むような誤解をしているために、まるきりトンチンカンな答えを書いてしまったりしてしまうお子さんがいます。

 「読んで字のごとし」ということができるようになるまでの個人間の時間的な差は、やはりそれまでにそのお子さんがどれだけ言葉に触れる経験をしているかどうかにかかっているようです。ですから、なんと言ってもお子さんには、幼少期からよい日本語にたくさん触れられる環境を用意してあげてほしいと思います。

 というのは簡単ですが、実行するのは難しい。放っておいても本なんかなかなか自分からは読んでくれないでしょうし、下手をすれば何時間もYouTubeの動画を見っぱなしなどということになりかねません。

 おすすめなのは、国語道場が西千葉地区で独占的にご提供する読書指導「ことばの学校」です。お子さん一人一人の現状の国語力に合わせて、300冊もの良書を丸ごと読ませていきます。比較的薄い本の多い初級のグレードだと、1年間に平均で70冊ほどの本を生徒たちは読破しています。これほど濃厚で圧倒的な言葉に触れる体験ってほかにあるでしょうか?

 当然のことながら、特に低学年の児童だと1年間で5,000語~10,000語という勢いで日本語語彙力が伸長します。語彙力が増えることでさらにその言葉の知識が新しい言葉の理解を助けるという作用を生むことになります。このようにして初めて見るような言葉が出てくる文章でも読み解く力が身についていきます。

 子ども時代にたくさんのよい日本語に触れることは、お子さんのその後の学びにおいてとてつもなく大きな財産になっていきます。

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