2019年10月03日 23:46

どんなに教育のシステムが発達しても、学びの基盤となる力はやはり国語力だった

 今日は午前中、都内某所にてある塾さんによる勉強会があり、それに参加してきました。そちらでは、コンピュータやインターネットの、いわゆるIT技術ですが、それを使った個別指導をやっていました。

 いや~、すごいと思いました。解説や問題が、各生徒の力量に応じて調整されて、自動的に与えられるようになっていました。よくこれほどのシステムを構築したなということに感心しきりでした。

 しかし、こうしたシステムが作り込めるのはけっきょく英語と数学ということで、国語についてはそういうものは作り切れないようでした。そのように明言してはいませんでしたが、国語については説明の最後にちょっと流す感じだったので、まあ、そういうことかなと推測しています。

 いずれにしても、IT技術を応用した教育システムの進歩には目を見張るものがあります。こうした技術的な進歩については、私も個人的にいろいろなところに出向いたり本を読んだりして勉強し続けていくつもりです。効果的なものがあれば、国語道場の中にどんどん取り入れていったほうがいいですからね。

 でも、国語については、当分ムリでしょうね。いや、ほぼ永久にムリなんでしょう。なぜなら、AIは人間のような形で文章の意味を理解することができないからです。これは高名なAI研究者が言っていることです。

 スマホの音声アシスタントは、一見こちらの言っていることを理解しているように見せています。しかし、実際はこちらがしゃべった言葉の中の単語を検索にかけて、データーベースからその単語に関係のありそうな文言を音声で返しているだけです。コンピュータには、例えば「うれしい」という言葉がどういうことなのか、決して理解することはありません。

 やはり、国語に関しては、人間の指導者が子どもたちの書いた解答を一つ一つ読み、どの点では合っているが、どの点では不十分であるといったことを逐一チェックして、より良い答案を書かせるように練習させるしかないようです。こう考えてみると、「国語が教えられない」と言うような塾の存在価値って何なんだろうなとも思ってしまいます。

 また、国語力がしっかりと身についていないお子さんは、コンピュータ技術の進歩に伴う教育システムの発達の恩恵を受けられるのかなという疑問もあります。IT教育がどんなに進歩しても、それを十分に理解して身に着けられるかどうかは、大いに疑問です。

 国語力について、私はパソコンやスマホのOSのような側面があると思っています。iOSだともうすぐバージョン13がリリースされるそうですが、そうすると古いOS上で動いていたアプリはどんどん新しいものへの対応を始めて、そのうち古いOSでは動かなくなっていきますよね。

 国語力の一つの側面として、何かを学ぶときにそれを自分の頭に理解させたり、その知識を使って実際に問題を解かせたりする働きがあると思います。だから、国語力は、常に鍛えていって、成長とともに新たに勉強することを身に着けられるようにしていかないといけないものだと思っています。

 こうした、国語力のいわばアップグレードを子どもたちに促していかないと、どんなに素晴らしいコンピュータ教育システムが作られたとしても、まったくその恩恵にあずかれない人になってしまうのではないでしょうか。

 国語道場では、現在「読書指数診断」を実施中です。これは、生徒の日本語語彙力と読解の正確さを測る全国規模のテストです。最近は1回に全国で3,000名くらい受けているという話でしたので、これまでに数万人分のデータの蓄積があると思います。国語道場は、塾生の現状の国語力、すなわち新しいことを学ぶ力そのものを測定して、把握しています。そして、定期テストや偏差値だけではわからない、生徒たちのいわば学びの基礎力を知り、そしてそれを教材選定などの教務にフィードバックさせていっています。

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