2019年06月08日 19:34

なぜあなたのお子さんの習い事の成果はどれもこれもイマイチなのか

 子どもの習い事について、なんとも素敵な記事に出会いました。海猫沢めろんさんという作家だそうです。

 子育ての模索の経験から大きな気付きに至るまでのお話ですが、多くの親が陥りやすい状況が客観的にそれでいて突き放した感じでなく描かれていて、なおかつ重要なところはずばり押さえてある文章ですね。ぜひ皆様もご一読をお勧めいたします。

 一番重要なのは、この海猫沢さんの言うように、まさにこれですよ。

「習い事」とはつまり親の問題でもあるのだ。親がちゃんと月謝を払い、情熱を持って子供を送り迎えし、家でも宿題をやらせる。そうじゃないと続かない。当たり前である。NO情熱、NO習い事

 私は小6の娘にピアノを習わせています。毎週末、横について娘の練習を見ます。ピアノの技術的にはとっくに娘に追い抜かされている(というか私はフルート奏者だからいいんだもん)ので、楽曲知識と音楽性の高さ(笑)で、熱血指導しています。

 娘の通う稲毛の音楽教室に行くと、たまにお子さんが「全然練習しない」などと愚痴を言っているお母さま方に出くわします。そんなもん、ピアノなんて面倒くさいもの自分から練習なんかするわけないだろうと突っ込みたくもなります。

 それに、そもそもお母さん、あなたクラシック音楽に対して燃えるような愛情を持っているんですかと聞いてみたいなと思ったりもしますね。お母さんもそこまで興味ないわけですよね?ベートーヴェンのソナタを20分とか30分黙って聞くなんて、正直苦痛ですよね?お子さんだって同じです。

 クラシック音楽なんてねえ。私はクラオタだから楽しんでいますけど、基本的に特殊な趣味ですよ。こんなもの好きだからといって別に偉いわけでも何でもありません。私のクラオタの友人なんて変人の大酒飲みしかいませんし。それは私もそうか。

 親御さんにそれほどの興味も関心もないのであれば、お子さんが練習をさぼってばかりいたって別にいいじゃないですか。音楽の習い事をさせるんだったら、親御さん自身が好きで、子どもと一緒に楽しみたいというものをやればいいじゃないかと思うんですけどねぇ。

 

「バランスよく」子どもをつぶす親

 ↑めずらしく小見出しをつけてみました。

 習い事について、塾生とは関係のない母親と話をしていた時のこと。

 「まず運動系でスイミングかサッカーをやらせて、それと芸術系でピアノか造形教室に通わせて、そして勉強系で公文か学研に通わせる。」

 「ずいぶん多いね。」

 「そ~お?スポーツ系と芸術系と勉強系で一つずつだよ。」

 う~ん。こういうのが「バランスがいい」と思っちゃうんでしょうねえ。こうやって「バランスよく」子どもに習い事をさせる方って、何か一つでも胸を張ってこれができますって言えるところまでの習い事ってやったことないんじゃないですかね?

 考えてもみてほしいんですが、ピアノ一つ習わせるにしたって、ちゃんと上達するためには毎日の練習が不可欠ですよね。そんなに「バランスよく」習い事を詰め込んで、そのたった一つのピアノの練習を家庭で毎日やる時間が取れるんですか?取れるわけないですよね。

 習い事を「バランスよく」あれもこれも詰め込んでいる時点で、何かをきちんと身につけさせるという意味で、やっていることが論理的に破たんしているんですよ。あえてきついことを言わせてもらえば、習い事を何種類も詰め込んじゃう人は、思考力が足りないのだと思います。

 上に紹介した海猫沢さん、子どもの習い事の失敗談を語っているのですが、それでもこの方の立派なところは、同時期に複数の習い事を詰め込んでいないことです。

 「もしかしたらこの子にはこんな才能があるんじゃないか」と自分の中で盛り上がって何かをやらせては、続かずに辞めてしまうということを繰り返してきたようなんですが、こういう方はまだ健全です。実際多いのは、親御さんもそれにとことん付き合う気がないような習い事を複数詰め込んでしまう人だからです。

 さらにうがったことを言ってしまうと、子どもに習い事を詰め込んでしまう親の本当の心理って、つまるところ子どもの時間を拘束したいということですよね。子どもが毎日家でだらだらゲームをしていたりスマホで動画を見まくっていたりするのを見たくない。とにかくこういうものがないところに子どもを預けたい。そういうことですよね。

 習い事は託児所じゃないんだし、子どもがぼーっとする時間って、脳の発達にとっても大事なんですよ。だからそういう時間が無駄な時間だなんて思うべきではないんです。

 さらに良くないのは、親御さんもそれほど情熱を持っていない習い事を子どもにやらせることは、子どもに何事もいい加減にやっときゃいいと教えているようなものだということです。

 また、訳の分からない習い事をあれこれやらされてきたお子さんにありがちなことなんですが、本当に肝心な時に動いてくれない人になります。国語道場にもたまに来るんですが、とにかく国語力がヤバい、今すぐにでも勉強を始めなければいけない。でも子どもが強烈に拒絶反応を示してしまう。

 「もう、ママが勧めるものはやりたくない。」

 習い事についての基本的な考え方を申します。習い事とは特技になってほしいものですよね。そうすると、それはとんぎったものがよいということになるでしょう。あまりそういうものをやっている人がいないとか、やっている人は多いけどそこまでのレベルまでできる人はなかなかいないとか。

 論理的にというか普通に考えて導かれる結論は、誰でもやっていることを中途半端なレベルでやるのは何の意味もない。ただの時間と金の無駄ということです。あまり人がやっていないようなことや、プレイヤーは多いけど抜きんでて上手いということ一つに絞って、習い事はやらせるべきです。

 特にそういうのはないなあということであれば、勉強をさせましょう。

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