なぜ先進国の中で日本は飛びぬけて子どもの教育に金がかかるのか?
ご存じの通り国語道場という塾をやっておりますが、つまるところ、本当の意味で「国語」ができる大人ってそんなにいないのかなと思うことがあります。
国語道場のコンセプトは、教科としての国語だけではなく、あらゆる学びの基盤としての日本語力としての国語力を鍛える塾というものです。それは、言語を用いて自ら問題を発見し、それについて考え、それを解決していく力でもあります。
でも、それを日常の生活の中でできている大人ってどれくらいいるんでしょうね。
どうしてPTAはバザーの準備や他団体との会合出席で忙しい一方で、いじめや不登校など子どもたちの深刻な問題について議論したり解決のための行動を起こさないのか。どうして学校の先生は、本来課外活動にすぎない部活に忙しく、その時間と労力を子どもの勉強の補習に使うようなことをしないのか。
塾を自分でやっていてこんなことを言うのもなんですが、なぜ我々は子どもの教育のために結構な額のお金を自前で用意しなければならないんでしょうね。
そんなもの、自分の子どもの立身のための教育なんだから、その費用は自分で用意するのが当たり前だろうという声が聞こえてきそうです。
しかし、ちょっとご存じの方だったら、塾のようなものは日本・韓国・中国などで特有の民間教育機関で、欧米の旧列強から小国に至るまでそれに相当するものは見当たらないということは、聞かれたことがあるでしょう。私が以前住んでいたロシアでもそうでした。もっとも、インテリやエリート層が超一流高等教育機関に進学するための家庭教師はいました。しかし、日本のように、地元の公立高校に進学するためなどの目的で大半の子どもたちが通学し、兆単位の規模の市場になるような塾は到底存在しません。
教育は何のためにあるのか。個人の幸福追求の範疇だという考え方の人が日本など東アジアには多いのでしょう。しかし、もうちょっと違う見方をすると、国民がバカばっかりだと、困るのは国家です。国民の教育が必要なのは、国家の都合でもあるのです。だから、子どもの教育にもっと国は金を出すべきだという考え方は、十分可能なはずだと思っています。
これもまた、知っている人は知っていることだと思いますが、2018年に公開された調査によると、OECD加盟国--まあ、先進国と言っていいでしょう――で、日本が教育に税金などの公費を使っているGDPに対する割合は、ビリです。最下位です。どん尻です。
公費が使われない結果、日本人は子どもの教育のために塾にお金を使い、大学の高い学費を払っています。ちょっとよく分からないんですが、皆さんこれでいいと思っているんですかね。まあ、いいと思っているんでしょうかね。
学校の先生が、部活とか訳の分からない事務仕事から解放されて、正規の授業以外にもお子さんの勉強の定着のために補習をやってくれるようになったりすると、多くの人々にとっていいんじゃないかと思うんですけどね。まあ、そういう世の中が実現したときには、私はほかの仕事を探します(^^;
というわけで、明日は参議院議員選挙ですね。国語道場にお子様を預けてくださっている保護者のみなさんで、選挙に行かないなんて方はいらっしゃらないでしょうけれども、こんな動画が話題になっているそうです。
教育の予算が減っている?その分、医療費に回してもらえるからありがたいよ。
名付けて「若者よ、選挙に行くな!」という動画だそうです。もちろん、その反対の行動を期待して作られているものです。
日本人の若い世代の人ほど、選挙は自分に関係がないと思う傾向が強いそうです。世界的にも同じような傾向はあるにはあるようなんですが、舞田敏彦氏のツイートによると、日本人の若者の投票率は、諸外国と比べてもとりわけ低く、氏が調べた数十か国の中で最低だったそうです。
教育への公費負担の対GDP比も最低、若者の投票率も世界最低レベル・・・。なんかこの辺関係ありそうですね。
投票所に行ったことのある方はご存じかと思いますが、黒板が置いてあって、年代別の投票率は集計されています。統治権力者側からすると、どの世代を大切にすればよいかということは、これを見れば明らかなんですよ。
選挙が自分には関係がないと思う人は・・・、結局「国語力」がない人なんだと思います。
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