2019年06月07日 23:27

ほどほどに困らせることは子どもの成長にとって重要

 ベネッセの教育情報サイトを見ていたら、ぐっとくるタイトルの記事を見つけました。

忘れ物を届けることが子どもの考える力を奪う。普段の会話でできる思考力の育て方

 以前の話ですが、塾生が何かこそこそ携帯で授業中家に連絡を取っているんですよね。

 しばらくすると、その生徒のお家の方が忘れ物を届けに塾に来られるんですよ。「ああ、これはどうも、ご苦労様です」と言って受け取って生徒に渡しました。

 ところが、その後こういったことが何度か続いたので、ある時私はその生徒に説教をしました。

「あのなあ、お家の人だって、お前がこうして塾に来ている間、家族のために食事を作ったり洗濯物を片づけたりしなきゃいけないんだよな。自分の忘れ物の不始末を、お家の人に押し付けるのはやめろよ。」

と、こんな風に諭したわけです。

 国語道場では、筆記具を忘れても教室内で誰でも使える鉛筆や消しゴム、定規、コンパスは常備していますし、科目を間違えてテキストやノートを忘れても、その日の授業にはテキストのプリントやコピーミスの裏紙で対応できます。宿題をやってあるノートを忘れた場合は、宿題忘れとしてばっちりカウントしますが。だから、忘れ物をしてしまっても、我々に「すみません。忘れてしまったので◯◯を貸してください」と言えばよいようになっています。本人が持ってこなければどうにもならないようなものを忘れた場合は、家が近ければ取りに帰ってもらっています。

 忘れ物のように、ちょっと困った事態に子どもが陥るのは、逆に成長のチャンスだと思います。温かく困らせることで、問題にどう対処するべきかを自分の頭で考えさせることが大切です。「すみません」と頭を下げて人から借りるのか、自分でできる範囲でどうにかするのか、解決する道を探らせるべきです。そして大人には、子どもが困っているところを見守る心の強さが必要です。

 私も小学校の低学年の頃は、よく忘れ物をしました。なぜか消しゴムをよく忘れましたね。

 私はどちらかというと自分でどうにかする派だったので、消しゴムを忘れたときは、何とか別の方法で消せないかをあれこれ試しました。それなりに効果があったのは、指先を少し舐めて、それで消したいところをこする方法です。でも、あんまりこれをやると、そのうちノートやプリントが破れちゃうんですよね(^^;

 そのうち、最大の対策はそもそも消しゴムを忘れないようにすればいいんだということに気づきます。アホですね。

 こんな感じで、忘れ物を自分で何とかしようとしているうちに、忘れ物をあまりしないような習慣を身につけることができました。たぶん皆さんも何かしら同じような経験をお持ちなのではないかと思います。

 子どものちょっとしたピンチ。そこですぐに手を出して助けてしまうのではなくて、生暖かく見守りましょう。そのピンチは、お子さんの成長を促す大きなチャンスにつながるでしょう。

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