カリスマは「死んだ」
学校の夏休みに伴って塾業界の夏期講習もあちこちで始まり、国語道場のウェブサイトの閲覧数も少し落ち着いてきました。みんなそれぞれ収まるところに収まって頑張っているのでしょう。
それでも、国語道場では今の段階でもまだご新規の方の入塾面談や無料体験授業がポツンぽつんと予定されています。本当にありがたいことだと思っております。
今ではほとんどのご新規のお問合せの方々は、ありがたいことにいつもブログを読んでくださっているということなんですが、そんな中に、たまに私を当惑させるような方がいらっしゃいます。なんだが私を崇め奉る勢いで、もうとにかくお子さんが国語が苦手で、何とか私の霊験あらたかな力で導いてほしいと言わんばかりです。
まあ、最近は私よりもだいぶお若い保護者の方も多くなってきましたので、「そうです、私が国語尊師です」みたいなふりをしようと思えばできなくもありません。でも、そんな恥ずかしいことはやりません(^-^;
まず、「カリスマ教師」の「熱血指導」で子どもを栄光へ導くなんて、30年は時代遅れの教師像ですよ。現実問題として、子どもたちに「熱血指導」することで、何となくすげー先生だったという印象を与えることはできても、本当に子どもの学力を伸ばすことなんてできません。
代々木ゼミナールや東進ハイスクールなどでそれこそ「カリスマ現代文講師」として活躍されていた出口汪さんが、最近ある塾向けの情報誌でこんなことを書いていらっしゃいました。保護者のみなさんの中にも、出口さんの『実況中継』などで勉強されていた方も結構いらっしゃるでしょう。その出口さんの言葉です。
予備校や塾の講義では、講師の説明が見事なほど、生徒は分かった気になるだけで、実はあまり学力が身についていないことが多い。(出口汪/私教育新聞/2019年7月17日号)
ほかにも、こちらも「カリスマ英語講師」だった安河内哲也さんもこんなことをある勉強会で言われていました。
教師の説明なんて生徒にとって迷惑でしかないんです。
ご存じの方もいるかもしれませんが、出口さんも安河内さんも、最近では「カリスマ」が生徒たちを教え導くなんて時代錯誤の教育なんてやめてしまわれていて、生徒たちが自ら能動的に学ぶ指導方法を提唱しています。往年の「カリスマ教師」たちは、こぞってそんなばかげた仮面を脱ぎ捨てて、子どもたちが本当に伸びる学習指導方法にまい進しているのです。そういうことに気づけて行動できるからこそ、彼らは有能な教師なわけですが。
国語道場の私も同じことです。子どもたちは本来一人一人自ら成長する力を持っています。学習指導はその手助け以上のものであり得ません。それではそれはあまり意味のないものなのではないかと思われるかもしれませんが、そうではなく、それは柔道のようなもので、相手の力、すなわち子供が自ら伸びようとする力を利用して伸ばしますから、時に驚くような伸長を見せるものなのです。
一番大切なことは、子どもが自ら成長する本来の力が発現しやすい環境を作ることです。その環境とは、くだらない競争意識やストレスフルな人間関係がなく、自分らしくいられる場であり、同じ空間に学ぶ仲間がいる場であり、教えてもらいたい先生を選べる場であることです。現代の学校の、集団一斉指導式の学級の真逆の環境ですね。
国語道場の私が最も重要視しているのは、こうした子どもが本来持っている、学んで成長する力を最大限に発揮できる学習環境を作ることです。お子さんや親御さんを言葉巧みにだまくらかして、カリスマを気取ることではありません。
今日も国語道場では、それこそ3時間も4時間も集中して学習に打ち込むお子さんたちがたくさん来てくれました。こんな風に子どもたちが学ぶことにどん欲になることが、学力・成績向上に結びつくのだということをご理解ください。
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