2019年05月14日 20:33

コンビニの「あいさつ」はどうにかならないのか

 日本の音楽コンクールの中で国際的に最も権威があるものの一つに、浜松国際ピアノコンクールがあります。先日テレビで、この浜松国際ピアノコンクールについてのドキュメンタリー番組を見ていました。

 世界中から集まる若いピアニストたちの滞在中の便宜のために、コンクールの主催者は浜松市の家庭でのホームステイのあっせんをしているそうです。ある外国人女性ピアニストのホームステイの様子を見て、私はぎょっとしてしまいました。

 ホームステイ先の家庭にその女性ピアニストが到着してからしばらくして、その家の子どもたちが学校から帰ってきました。彼女は帰ってきた子どもたちに「ハロー」とあいさつをします。ところが、その子どもたちは、あいさつをしてきた彼女の前を素通りしていったのです。その後の映像で、子どもたちは彼女と一緒に遊ぶ場面も流れていましたから、彼らは彼女に気づいていないとか、敵意を持っているとかそういうことではないようです。

 テレビ局もよくこのまま放送したものだと思いましたが、子どもが人のあいさつを無視する、あいさつを返さないというのは日本ではけっこう見慣れた光景になってしまっていますよね。

 このようなことは塾でもあって、塾に来るときや帰る時にあいさつしないとか、あいさつされても返さないというお子さんは一定の割合でいます。

 これについてしつけがなっていないなどと非難するつもりはありません。あいさつすることに何か違和感を覚えてしまうようなものが、今の世の中にあって、子どもたちはその影響を受けているんじゃないかと想像します。

 原因として思いつくのは、コンビニの「あいさつ」なのですが、どうでしょうか。コンビニに入って、「いらっしゃいませ、こんにちは」と言われても、それにあいさつを返すことなんて絶対ないですよね。返したら、店員さんは間違いなくびっくりするでしょう。

 しかし、大人がそのように振る舞えば、子どもも同じようにするようになるでしょう。そのうちに、どこに行っても、誰に会ってもあいさつはスルーするものという習慣が、子どもたちの中で強固になってしまっているのではないでしょうか。

 まあ、なかなか難しいところがありますよね。子どもへの影響を考えて、コンビニに入る時に「こんにちは!」と元気にあいさつするなんて、ちょっとできないですよね。

 コンビニの「あいさつ」を無視する大人でも、子どもの塾のあいさつを無視することはまずないでしょう。それはTPOというものをわきまえているからです。してみると、塾の役割というのは結構大きいかもしれません。子どもたちに、あいさつは自分からしたり返したりするべき時と場合があるということを教えていかなければと思っています。

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