スマホを子どもに買い与えてはいけない本当の理由
国語道場では、今回の第3回定期テスト・後期中間テストで、5教科で学年10位以内の成績をとる生徒がぽつぽつと現れるようになった。
国語道場は、入塾試験を行っていない。つまり、現時点で特別優秀なお子さんを集めて塾の実績を上げるような塾ではない。
今回学年5位以内に入った生徒たちは、振り返ってみると入塾直後の学力テスト偏差値は50台そこそこだった。皆共通するのは、小学生の時から道場に通っていて、読書指導「ことばの学校」や国語記述の授業を受講してあらゆる学びの基礎である国語力を鍛えていて、そして中学では毎日のように道場に通い、テスト対策学習会「日曜道場」にも積極的に参加し、そして国語のほかに数学・英語・社会・理科の学力を伸ばしていったということだ。
国語道場は、塾生全員の学力を伸ばすことを目標にしている。とはいえ、現実には、いろいろな原因で失敗してしまう生徒も出てくる。
前回のテストでドカンと成績が上がりプチ燃えつき状態になってしまう者、道場に入りたての生徒に多いのは、毎週決められた曜日と時間に通っていれば大丈夫だと勘違いして、学習時間が足りないのに授業も増やさなかったり「日曜道場」にも参加しなかったりする者などなど、原因はいろいろである。
中でも難しいのは、頑張っているようなのだけれどもなかなか伸びてこないという生徒だ。
このケースには3つの要因があると思う。
一つは、よく頑張っていて学力も確実についてきているのだけれども、定期テストや実力テストで好成績を上げるにはまだまだ実力不足であるケースだ。
国語道場の国語の授業で語彙力も読解力も伸びては来ている。数学・英語・社会・理科も、基本的な知識や解法は身についてきているが、定期テストや実力テストで好成績を収められるまでの実力を得るには至っていないということだ。しかし、このケースについては、周囲も楽観的にしているのがよい。このまま継続的に頑張っていけば、結果は後からついt来るだろう。
二つ目は、いわゆるスランプというやつだ。
人の成長は直線的ではない。新しい技術を学びそれを身につけなければいけなくなると、これまで身に着けてきたものを修正しなければいけなくなる。その時、これまでできていたこともできなくなるような絶不調に陥ることがある。こういうことは、まじめに生きてきた人間なら、何かしらの形で経験したことがあるだろう。
しかし、これも周囲は楽観的に構えていればよい。スランプに陥るのは、明らかに成長の証だからだ。本人の努力を認め、応援してあげることだ。いずれ必ず状況は好転する。
一番厄介なのは、三つ目のケース。実力や学習態度は問題ないのに、スランプとは言い難い長期的な低迷に陥ったり、急激に成績が下がる場合だ。
昭和~平成初期にかけて、こういう子どもの部屋にはたいていテレビがあった。今から考えてみるとバカじゃなかろうかと思ってしまうが、子ども部屋にテレビを置いてしまうような親というのは昔は結構いたものである。成績が下がるのは考えるまでもない。
平成中期ごろから現れたのは、ネトゲだ。これは、子ども部屋のテレビよりもインパクトがあった。成績ダダ下がり。子どもを確実にバカにしようと思ったら、ネットワークゲームをやらせるのが一番だ。
ちなみに、ゲーム機は、成績のいい悪いにあまり相関していないように思う。幼児期からSWITCHなどを与えるのはさすがに考え物だが、家庭用ゲーム機や携帯ゲーム機で遊ぶか遊ばないか自体は、成績との関係があまりはっきりしない。ゲームばかりやっている成績の悪い子どももいれば、高学歴の人間もいる。
ネトゲが成績ダウンに強烈な効果があるのには、インターネット上でつながっている「仲間」と協力したり「敵」と戦ったりしなければいけないから、自分の好きにやめられないからとか、気晴らしに短時間やるようなものではなく、ハマるように作られているからなどといった、ゲームに長時間費やしてしまうような原因がいろいろとあるのだろう。
そして最近は、何と言ってもスマフォではないだろうか。最近の傾向として、「頑張っている割に成績が・・・」という生徒たちの共通点は、スマフォを持っていることにあるように思われてならない。
スマフォなら、ネトゲもできてしまうし、そんな作りこんだゲームはやらないという人向けにはソシャゲもある。動画も見られるし、不特定多数の人間とチャットをできるようなSNSアプリもある。まあ、最強の子どもスポイラーと言って間違いない。
NHK Eテレに「ねほりんぱほりん」という番組がある。いろいろな点でヤバ目な人を招いて、あれこれインタビューして聞くという番組だ。
それに「ゲーム廃人」という回があって、それを最近視聴した。改めて、インターネット上でできるゲームの怖さを思い知った。
とくにおそろしいとおもったのは、ゲーム廃人という人たちはいずれも真面目そうな人が多いことだ。
彼らは、性格的には快活な人もいれば引っ込み思案な人もいて様々だが、いずれももともとちゃんとした人が多いように感じた。そして、努力して上達し、それが評価されることに充足感を覚えていた。だから、ゲームも次第に面白いとかではなく、頑張って「ちゃんと」やらなきゃという奇妙な義務感に駆られて続けていることが多いようだ。
要は、彼らは根が真面目なのだ。まじめだからこそネトゲから抜けられなくなっているのだが、これはとても恐ろしいことだ。本来なら勉強なり習い事なりに打ち込んでいれば、大いに上達してよい成績を収められるような人間が、こんな何も残らないようなものにその時間と労力を吸い取られてしまっているからだ。
クリスマスに、「よい子」にしていたらスマフォを買ってあげるよなんて約束している方。「よい子」ほど危ないということを肝に銘じていただきたい。
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