2019年02月07日 20:01

一番上のクラスに入れなければ、集団塾に行ってはいけない

 国語道場では標準コースの中学生は、授業を1コマ単位で無料で追加することができます。ですから、定期テスト前に苦手なところや不安なところを勉強するために気軽に授業を増やせるわけです。と言っても自分の状況がよく分かっておらず、毎週決められた曜日と時間に塾に行っていれば成績が上がるくらいの感覚のお子さんもいますから、私の方から授業を増やすように提案することもよくあります。

 ところが今回は緑町中の生徒の何人かが、授業が増やせないということで断られてしまいました。

 「7時間目まで授業があるんです。」

 学級閉鎖で実施できなかった分の授業を、6時間目の後に突っ込んで実施しているんですね。

 先生方にはまことにご苦労様ですと申し上げたい気持ちもありますが、正直少々迷惑だなと思わなくもないです。試験範囲の勉強が一通り終わっているお子さんたちに対して、定着が今一つのところや苦手なところの補充学習をやってあげたいと思っているからです。

 学校としては、試験範囲の内容を授業で一度実施すれば、やるべきことをやったことになるのかもしれません。しかし、教師が授業をやったことと、生徒がそれを理解して身につけているかどうかは全く別問題です。これは、集団授業の最大の問題点だなあと常々思うことです。授業はあくまで教える側の都合で進められてしまうということです。授業をすれば教える側はやるべきことをやったことになる一方、生徒ができなければ、それは生徒本人の問題であって、自己責任とされてしまいます

 私は、何も集団授業を全面的に否定するつもりはありません。高校以上の授業や大学の講義、カルチャーセンターなどの市民のための学習会などは、集団授業で行われるべきです。なぜなら、それらの授業に参加するものは、前提としてその内容に興味関心を持っていて、なおかつ自主的に復習を心がけるだろうと思われるからです。私の大学浪人時代、代々木ゼミナールでは大教室に学生を300人突っ込んで一斉授業を行うなんてのが当たり前でした。私自身の経験を申せば、復習に本授業の3倍の時間をかけました。そうすると、半年で偏差値が30以上上がりました。集団授業で向上できるかどうかで一番大切なのは、学ぶ内容に対する愛情とか、絶対できるようになるんだという執念といったところでしょうか。

 しかし、そういう意味では、集団授業って実は人を選ぶシステムだといえると思います。逆に本来的に多くの人に合っているのは個別指導だということになります。勉強に対する思いがそれほど強いとは言えないほとんどの小・中学生にとっては特にそうです。そういうわけで、公立の小・中学校こそどんどん個別指導化するべきだというのが私の持論です。

 集団指導では「競争原理が働く」から、そういう中に子どもを置いた方がやる気になって伸びるんだという言説があります。特に男親でこのような主張をされる方が多いように思いますが、これは現実をご存じない方の思い込みと申してよいでしょう。

 「競争原理」なるものが働くのは、まあ上位1割だけですね。なぜか。それはほとんどの人にとって過剰な競争はストレスでしかなく、出来ればそのような環境の中にいたくないと思うものだからです。集団の中に子どもをぶち込めば「競争原理が働いて」皆しゃかりきになって勉強するのであるならば、すでに学校がそうなっていなければおかしい。しかし、現実に必死になっているのは上位の生徒だけ。他は競うことを諦めているではありませんか。

 むしろやる気になるのは、自分に合った勉強を、自分のペースで進められる環境です。

 究極の集団授業だった代々木ゼミナール出身の塾長が申しますが、集団塾をご検討になるならば、まず上に挙げたようなお子さんの特性をよくご覧ください。

 学ぶことに対する愛情、予習復習に膨大な時間をかけることをいとわない向上心があるかどうか。これがあれば、集団指導の塾がぴったりといえましょう。

 もう一点重要なのは、それぞれの塾の一番上のクラスに入れる学力があるかどうかです。一番上のクラスに入れないようであれば、集団指導の塾には行くべきではありません。

 これは、まあ、集団塾さんでは一番上のクラスに優秀な人材を集中させるからです。そうやって進学実績を上げさせるわけすね。そして下のクラスには・・・。とにかく生徒が辞めないように、生徒が嫌がることを言ったりしたりしないようにする。”お客さん”として授業料を払い続けてくれるように心を砕くでしょう。いやらしい話ではありますが、仕方ありません。私が通っていた代ゼミもそうでしたし、あなたが経営者でも同じことをするはずです。

 クラス分けがないという集団塾があるとしたら、それはもはや検討に値しないといっていいでしょう。学校と同じですから。

 昨日の記事にも書きましたが、国語道場は個別指導ですので、入塾時の状況はみなまちまちです。それでも、子どもたちは偏差値70を超えるような成績を取れるようになるまで成長しています。なぜか。それは、一人一人の現状の国語力に合ったテキストを選んで、国語力を伸ばしながら5教科の勉強をバランスよく行うからです。一つ一つの単元をできるようになるまで繰り返し繰り返し勉強し続ければ、だれでもできるようになるということです。

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