2015年10月09日 12:34

中学生の通知表の見方 基礎編

 昨日、千葉市内の一般公立小・中学校の前期終業式がありましたから、みなさんのお手元にもお子さんの通知票が届けられているはずです。

 そういうこともあるのか、パラパラッと入塾のお問い合わせを頂いております。まあ、あまり発作的に「何ときゃしなきゃ」思いつくのは良くないこともありますが、これもまた子どもと勉強について考える良い機会とも言えましょう。学力向上のための中・長期的なプラン、平生の授業方針などがお子さんに合っているかどうかじっくりご検討いただければと思っております。

 さて、通知票がほとんどのご家庭にある状況ですので、単に数字が良かった悪かった程度のことで言い争ったりするのはもったいないです。ぜひ今週末あたり、通知票を使ってお子さんと一緒にこれからの勉強について語り合っていただきたいなと思っております。

 ひとまず、今日のところはみなさんが絶対に今すぐ頭に叩き込んで置かなければいけない事柄を2点、ご存じの方も多いかなとはおもいますが、書いておこうと思います。

 まず、これは中3生にはいささか手遅れ感もあることではありますが、千葉県の公立高校入試では、中学3年間の内申点が全て参照されます。

 「そんなの当たり前じゃん」と思われる方も多いとは思いますが、もうちょっと踏み込んで注意して欲しいところがあります。

 千葉県の公立高校は、入試における選抜方法を各校ホームページで公表しなければいけないことになっています。ですから、ネットに繋がる環境であれば、今すぐにでも確認することができます。

 特徴的なものをご紹介しますと、1つは検見川高校のもの。検見川高校の前期選抜での評価方法には、このような記述があります。

 「3年間で評価1又は未評価がある場合は審議の対象とする」

 他に、例えば千葉北高校の前期選抜評価方法ではこうです。

 「評定1の教科がある,または評定2の教科が複数ある場合は,審議の 対象とする」

 「審議の対象」とはどういうことでしょうか。入試において合格者を決定するときに審議を行わない学校はないでしょう。ここからは想像ですが、上記2校の「審議」とは、そういう通常の審議ではないと思われます。平たく言うと、3年間のうちに1回でも1を取ったり、北高だったら2個以上2を取ったら前期はアウトですよということなのではないでしょうか。

 千葉東高校のように、内申点の扱いが非常に小さい学校もあるので一概にはいえませんが、県立高校の中堅よりも上の学校に行きたいと思っているならば、3年間のうちに内申で1や2を取ってしまうと、なかなかに取り返しの付かないことになりかねないということは、1年生からしっかりと理解しておいて欲しいと思います。

 もちろん、9教科全部ですからね。実技4教科も大事ですよ。

 もうすでに3年生という場合は・・・、後期で頑張りましょう^^;

 もう一点ですが、先程から「内申」とか「内申点」などと申しておりますけれども、内申点と通知票の評点は同じではないということも知っておかれると良いでしょう。

 何を言っているのかよくわからない方もいらっしゃるかもしれないので、よくあるご質問を紹介して、そこから説明します。

 よく、「高校に行く『内申』は通知票の後期の数字ですか?それとも前期と後期の平均とかですか?」といったご質問をいただきます。

 正解は、そのどちらでもない、通知票の評点と、高校に提出される内申点は別物だということになります。

 「ええ、じゃあ内申点はどうやったら分かるんですか」と、当然そういう疑問をお持ちになるでしょう。

 しかし、残念ながら、現在のところ入試の前に正確な内申点を知る方法はありません。公立高校の後期入試合格発表後の開示請求によって、つまり全て終わったあとにしか知ることができません。

 ただ、内申点と通知票の評点がかけ離れた数字であることも滅多にありません。ですので、今のところは、通知票の評点から、お子さんの内申点がこれくらいかなとなんとなく把握するしかないという状況ですね。

 なんでそんなことになっているのか、現役の中学校の先生に聞いたことがあるのですが、そのへんは学校の先生方が教育的に利用することが出来るようにということのようです。

 どういうことかというと、「こいつは実際の内申は3なんだけれども、近頃授業態度も悪くなっているから少し反省してもらおう」などといった先生側の考えで、通知票に”2”をつけることは可能だということです。

 逆に、「この子は最近すごくよく頑張っているから、本当の内申は3なんだけれども4をつけてやろう」というのもありです。

 こうした担当教諭一人ひとりの「配慮」によって、通知票評点と実際の内申点との間には少しずつ誤差が生まれることになります。

 まあ、入試ということを考えると、実際の内申よりも悪い通知票評点はまだいいのですが、内申が実は通知票ほど良くなかったという時は、本当にひやりとさせられますがねえ。内申点=入試のテストの持ち点という側面もありますから、実際はそんなに持ち点がなかったということですからね。

 今日のところは上の2点、中1・中2でも全9教科に内申1・2があると、前期入試は絶望的になる学校もありますよということと、内申点と通知票評点は同じではありませんよということを押さえておいていただければと思います。

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