中学生の通知表の見方 部活は辞めても問題なし
息子が地元の中学の吹奏楽部に入っていて、たまにその活動を見に行くことがあります。
なんだか練習にも来たり来なかったりでちゃらんぽらんな奴に、
「そんなにやる気ないならやめりゃあいいのに」
なんて平気で言っちゃうんですが、その子はこんなことを言い返してきました。
「お母さんから部活に入ってないと入試で不利になるからと言われているんで、一応所属だけしています」
(´Д`)ハァ…というか、このお母さんに喝ですな。今時こんな愚かな大人がまだ生息しているのかと・・・。
はっきり言っておきますが、部活をやらなかった、または部活を途中でやめたことで入試で不利になるということはほとんど考えられません。「ほとんど」と言っているのは、部活動やスポーツ推薦で進学する人も一定数いるというだけのことで、それを除いてしまえば、部活動に参加しなかったことが入試でマイナス評価されることはないです。
とはいえ、部活動の参加が入試で「有利」に扱われることはあります。
中学生の部活動加入率は非常に高いので、「部活動への参加が入試で有利に扱われるんだったら、参加しなければやっぱり結果的に不利になるんじゃないか」という心配を持たれる方はいるでしょう。また、この心配が、上の子どものいう「部活に入ってないと入試で不利になる」というおかしな勘違いに結びついているのでしょう。
それでは、部活動への参加がどの程度入試で「有利」になるのでしょうか。
昨日の記事でも言及しましたが、千葉県の公立高校は自校の選抜評価方法をホームページで公開しています。その中で、部活動への参加に対する評価を調べてみましょう。
調べてみると、何点プラスするというところまできちんと書いている学校があります。それは、第1学区では千葉東、検見川、千城台、千葉西の4校です。
それぞれのポイントですが、千葉東が上限が5点、検見川が上限10点、千城台は10点、千葉西は学級・生徒会・学校行事・部活動などで合わせて上限27点としています。
「何だ、じゃあ部活をやっていれば5点なり10点なりが入るんじゃないか」
と早合点をしてはいけません。これらの部活動ボーナスが付くのは「実績」がある場合に限られます。その実績とは、学校にもよりますが、運動部であれば県大会の上位進出以上が相場です。逆に言うと、夏の総体までに市大会で敗退、県大会にも出場できないようであれば、3年生までどんなに毎日朝練も放課後練も欠かさず参加していたとしても、ほぼ0点だと言っていいということです。
ちなみに、前期入試学力テストはもちろん500点満点、内申書の成績評価の満点は135点で両方合わせると635点です。635点に対し、部活動のポイントなんて5~10点です。そこまでこだわるものでしょうか。
さらに、これらの話は前期入試の話で、後期入試になるとこのような部活動ポイントはほとんどありません。
「部活に入っていないと入試で不利になる」なんて発想がそもそも私の気に入らないんですけれども、そこまで損得づくで考えているのに、県大会にも進めないような弱小部活であれば入試には全く有利にならないことを知らないというのは、少々滑稽だと言わざるを得ません。
他のチェーン個別指導塾で甘やかされてきて国語道場に移って日も浅いお子さんだと、こんなことがあります。
「宿題忘れました\(^o^)/」
「フ~ン、『忘れる』ってなんで?」
「いや、今度部活で新人戦があって・・・」
部活を理由に宿題をやってこなかったというのは国語道場ではNGワードで、基本的に塾長はキレます。
「はぁ、じゃあ部活をやめましょう。部活を理由に勉強をしない人に、部活に入る資格はありません。」
というところから始まって、半泣きになるところまで締めあげることもありますのでご注意を(^^)
厳しいと思われるかもしれませんが、例えばお家の旦那さんがですよ、草野球に夢中で最近仕事に行かないんですなんてことになったらどうされますかということです。正常な判断力があれば離婚ですよね。
部活ばっかりやって勉強しない人間なんて、草野球に夢中で仕事しない大人(なんてそうはいないと思いますが)と同じです。情状酌量の余地なしです。上にも述べたとおり、部活動は入試で有利になることはほとんどありませんので、部活を理由に勉強しないなんてことがあったら、即退部させましょう。
こんなふうに言うと、
「文武両道は大事ではないんですか。部活動を頑張る子は入試でもいい結果を残すと聞いたことがあります」
と言われる方もいるかもしれません。
これですけどねえ。たぶん錯覚だと思いますよ。
たしかに、部活動もバリバリ頑張っているのに成績は学年トップクラスという子はいますよね。私も同級生にそういう人がいた記憶がありますし、皆さんの周りにもそういう人がいたかも知れません。でも、大切なのはそういうことが出来る人がそんなにたくさんいるわけないということです。
部活で大活躍、成績もトップクラスというと非常に目立ちますからね。だから、「部活動で頑張る子は入試でもいい結果を残す」という印象が強烈に残りやすいのかもしれませんけど、これは例えばセンセーショナルな子どもの凶悪犯罪が報道されると、最近は子どもの犯罪が増えているんじゃないかと錯覚するのと同じですよ。こんなヒーローのようなことが出来る人がいることは確かでも、そんなのはごく少数。私もできなかったし、みなさんの多くもできなかった、つまり普通の人には無理なんですよ。
仕事がら、優秀な大学に現役で合格した学生にたくさん会うんですが、その多くが、やはり進学のために部活動は控えめにやっていたか、入っていなかったと言います。賢明な人は、自分の力量をよく考えて、まず第一に頑張らなければいけない勉学の妨げになるような活動は控えるものなのです。
自分の子どもがスポーツも勉強も万能の理想的な人間あってほしいなどと思う気持ちは分からないこともないですが、「部活を頑張る子は入試もうまくいく」なんて錯覚に振り回されて理想だけを追い求めるようなことになっているのであれば、それは自分の子どもの特性をよく見ていないというだけのことであって、親のエゴイズムの押し付けと言われてもしかたがないことだと申せましょう。
中学・高校と勉強最優先で来て、名門大学で学ぶ学生さんは、スポーツでも音楽でもたいていなにがしかのことを大学でバランスよくたしなんでいます。こういうことこそ文武両道と言うんであって、効果があるのかないのかよくわからないような練習のために毎日何時間も拘束される部活動への参加は、大概にするべきだと思いますよ。
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