中間テストで国語道場は全生徒の成績が上がりましたが、全国一斉休校で蒸発した学力は本当に取り戻せるのでしょうか
今週から市内の公立小・中学校の前期授業が再開し、9月に期末テストが実施されます。こうしたスケジュールを見ていると、次第に様々なことが平常通りに戻りつつあるように見えます。
実は、7月に多くの中学校で実施された中間テストでは、国語道場の塾生全員の学年順位が上がりました。
これには、もちろん塾生たちの頑張りもあると思います。しかし、少々うまくいきすぎであるようにも思われます。国語道場の塾生全員の学年順位が上がった背景に、ほかの多くの子どもたちの学力が下がったということがあると考えないと、説明がつかないのではないでしょうか。
国語道場では、全国の小中学校の休校が始まった3月は、通常通り授業を実施していました。4月に緊急事態宣言が発出されたときは2週間休校し、同月下旬にはオンライン遠隔指導を開始し、5月の中旬からは、感染予防対策を十分に行いながら、少人数での対面授業も再開していました。
7月の中間テストで国語道場の生徒たち全員が学年順位を上げることができた一方で、多くのお子さん方が学力を落としていたとすると、もちろんいろいろな要因はあり得ますが、やはり学校の休校期間中に継続的な学習指導を受けられたお子さんと、そうでなかったお子さんたちの中に差ができてしまったということではないだろうかと考えます。全国一斉休校による学力低下は、実はかなり甚大だったのではないでしょうか。
問題は、これからそれをしっかりと取り戻していけるのかということになるでしょう。
学力が上がったか、下がったかを見極めるのは、案外難しいところがあります。なぜなら、学力が低くてもテストが易しければ高い点数を取ることは容易である一方、高い学力があっても問題が難しければ点数は低くなるでしょう。テストの点数だけで学力が上がった下がったを見極めるのは、ほとんど不可能です。
それでは、テストの難易度にかかわらず「学力」を評価する方法としての偏差値はどうでしょうか。これも実際には問題があります。偏差値は相対的な成績なので、全体の学力が下がっていれば、実際に学力が下がっていても、偏差値は下がらないことになるからです。今年の偏差値60と、去年の同じ学年の偏差値60が、同等の学力である保証は全くありません。
そこで思ったのは、楽器の習い事をしている子どもたちはどうなっているだろうかということです。演奏者の技術力や仕上がり具合は聞けばわかります。
私の娘が通っている音楽教室では、4月前半はレッスンがお休みで、4月下旬~5月は遠隔指導が行われていました。7月に予定されていた発表会は中止で、8月に少人数グループによるおさらい会が分割して行われたという状況です。
そのおさらい会の様子ですが、例年見事な演奏を発表会で聞かせているお子さんでも仕上がりはあまりよくなく、曲の途中で演奏が止まってしまったり、弾き直したりしてしまうケースが多々あったそうです。
楽器の習い事で見てみますと、長期の休みによる技術力の低下が起き、その遅れが数か月たってもなかなか取り戻せていないという現実を確かに確認できるように思います。楽器演奏においてこうであれば、勉強においても同じようなことが起きているのではないかと私は想像します。全国一斉休校により学習機会が失われ、そのために生じた学力の欠落を埋め合わせていくためには、相当な努力が必要なのではないでしょうか。
中には、「みんなの学力が下がっているのなら、自分(の子ども)が下がっても問題ないのでは」と思う人もいるかもしれません。しかしながら、今この学年のこの時期に学ぶべきことをしっかりと身に着けていなければ、この先に新たに学ぶ事柄を十分に理解し、身に着けることも困難になることは想像に難くありません。一斉休校に伴う学力の欠落は確実に存在していると認識したうえで、その克服に真剣に取り組む必要があると考えます。
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