中1レベルのこともできないのではなくて、実は中1でやっていることが難しいという事実
今週は水曜日に轟町中、金曜日に緑町中のそれぞれ3年生のみ定期テストがあります。3年生にとっては内申点を上げる最後のチャンスです。
そういうわけで、今日は朝から恒例の定期テスト対策学習会「日曜道場」でした。
以前だったらこの日曜道場に来させるために、前の週から子どもたちに「絶対来いよ」などと脅していたものですが、最近は日程の告知と事前の軽い声掛けで参加してくれる生徒が増えました。
今週テストのある中3生だけでなく、テストはまだ1月ほど先の1年生も何人か参加してくれました。「テストで成績を上げる」というモチベーションが高まってきています。
日曜道場では、普段の授業とは違った角度で見ることになります。どういうことかと言うと、普段の授業では毎回新しい単元について教え、それを練習させ、本人が分からないところやこちらから見て理解不足のところはさらにポイントを教え、宿題を出し・・・ということで定着を図っています。
一方、テスト前の対策学習では、まず実際のテストでどれくらい得点できるかということの確認から始まります。
普段の授業でもよくできている→テスト前の対策学習でもOKという生徒もいれば、普段の授業はよいのに、テスト対策では×が多いという生徒が出てきます。
後者のタイプは、中学2年・3年から道場に来てくれるようになった生徒に多くなります。
この傾向は特に英語で顕著です。どうしてそのようなことが起こるのか。
例えば、中学3年生は、今、分詞を使った後置修飾や第5文型の表現を習います。この新しく教わる内容を完ぺきに理解したうえで、それではテスト対策の問題を解いてみようとなると、得点できない。原因は、下の学年で習った事柄ができていないことにあります。特に、中1で教わる3人称単数で引っかかる生徒が、実はけっこう多いです。
国語道場では、夏期講習や冬期講習といった機会に、散々繰り返し繰り返し復習を実施しますので、1年以上在籍してくれているお子さんであれば、よほど基礎学習能力が低いなどの事情がない限り、誰でも完ぺきにできるようになっています。
しかしながら、中1の時にこの3人称単数などをあやふやにしたまま3年生まで上がってきたというお子さんですと、そこから一生懸命勉強して、今現在教わっていることはばっちりできるようになったとしても、テストでは現在形や過去形など、すでに教わったことでぽろぽろ失点してしまうということになるのです。
教育委員会が公表しているデータに興味深いものがあります。
これは、今年の千葉県公立高校入試英語における10点刻みの得点分布です。平均点は50点なのですが、一番多いのは20点台、30点台という受験生だったのですね。
このことは、私が今申し上げたこととかなり関わっています。中1段階で教わったことがあまり身についておらず、その後受験が近くなった段階で一生懸命頑張るのですが、それ以前に学んだはずのことができないために、いくらやっても点数が伸びない。そういうお子さんがたくさんいるということだと思います。
「英語の3単元もできない」などというと、いかにも「頭が悪い」ことの象徴のようにも聞こえるかもしれませんが、実はそうではないと私は思っています。
そもそも日本語には、主語によって述語の形が変わるという文法はありません。だからまず3人称単数の概念を、まだ年の浅い子どもには会得しづらい。また、英語の勉強が始まったばかりで、全体的に出てくる単語も易しいものが多く、全体的に中1の今勉強していることがそれほど難しいことであるという認識を持ちにくいということもあるでしょう。さらに、3人称単数のポイントは、動詞の語末に s をつけるだけということなのですが、この「簡単さ」が、かえって覚えづらさを引き起こしているように思えます。
「中1レベルのこともできない」ということではなく、「中1でやっていることは、実はなかなか難しいことなのだ」という認識を、我々大人もしっかりと持つべきだと思います。
理科も、英語同様1年から結構難しいことを教わっている教科です。
これも今年の千葉県公立高校入試の得点分布です。平均点は46.3点ですが、得点分布のピークは30点台にあります。
理科の難しさはどの辺にあるかというと、問題文がほとんど国語のテスト並みに長く、それを読解する能力が求められるというのもありますが、やはり勉強する内容が中1からすでに難しいという点にもあるように思います。
どうして中1から難しい内容が出てくるのかというと、理科の学習単元は、学習指導要領で定められた内容を、各学年に分配したものにならざるを得ないからです。化学のように、明らかに中3で学ぶものは中1よりも難しくなっている分野もあります。しかし、例えば中1で学ぶ光・音の内容と、中3で学ぶ天体の内容とでどちらが難しいか、これはなんとも判断のしようのないことです。このように、理科はどの学年にもそれなりに難しい単元が配分されてしまっているのです。
こうしたことから言えることは、やはり5教科の勉強を、中学1年の時からしっかりとやらなければダメだということです。中3になるまでは、とりあえず英語と数学だけ週1~2回塾で教えてもらう、そのような考え方は根本的に間違っています。
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