2019年05月20日 16:56

人より半歩先を行く勇気を持つこと

 今日は国語道場は休校日でしたが、塾長は午前中から都内某所にて、これからの英語教育についての勉強会に参加していました。

 以前からこのブログでも申し上げてきていますが、日本人の英語力は、アジア最低レベルに長らく甘んじている可能性が高いんですね。米国の大学への進学を希望する人が英語力の証明に受験するテストとしてTOEFLがありますが、その国別平均点(14ページ目)、2018年度も我らが日本はアジア圏でビリから3番目でした。日本よりも低い国は、ラオスとタジキスタンくらいしかありません・・・。

 これについては、母語である日本語と英語が似ていないから不利になるのは当たり前だとか、一部の金持ちのエリートしか受験しない国と日本のように力試しに受ける人もいるような国との平均点を比べても意味がないとかいう人もいます。たしかにこの国別平均点だけでは日本人全体の英語力がどうなのかということについて確たることは言えません。

 しかし、一つだけ確実に言えることはあります。それは、英語力に関して日本は韓国に圧倒的に負けているということです。TOEFL国別平均スコアは、日本の71に対し、韓国は84。もう完敗、惨敗、大敗北です。日本人と韓国人は、遺伝的に非常に近いことがわかっています。国民のIQレベルも同じくらい。母国語が英語に似ていないのは、日本語も朝鮮語も同じようなものです。それなのに、英語力に関しては韓国が日本を圧倒しています。

 ちなみに韓国の84というスコア、イギリスや米国に植民地にされたことのない国の中でおそらく最も高いスコアです。わりと最近まで英国領だった香港でさえ89でした。すごいですね、韓国。

 今日の勉強会では、この韓国の事例を参考に、日本の英語教育がどうあるべきかといった大局的なお話もありました。

 韓国は人口が約5,100万人。日本の4割程度です。したがって市場規模が日本よりも小さく、最初から世界に向けたビジネスを考えなければならない状況であること。1990年代の通貨危機とそれに伴うIMFによる支援を受けるにあたっての緊縮財政により中小企業の多くが消滅、国内の勤め口は財閥系の巨大企業しかない。そこに入り込むためには熾烈な競争があるということです。

 当然の結果として、塾・予備校は韓国でも一つの大きな産業になっている。最初から世界相手のビジネスを考えなければならない国の事情で、韓国でのエリートの能力=英語力といった側面があるため、幼児期からの英語教育が過熱。学校での英語学習が始まる小学3年生までには、一通りの英語教育は終わっていることも珍しくないとか。児童英会話の市場規模は日本の10倍あるそうです。業界の裏話のようなことを言うと、実は日本の児童英会話指導で使われている教材の中には、韓国で開発されたものが結構あります。

 このようなちょっと偏った感のある韓国の英語教育にはもちろん問題もあります。英語教育に力を入れるあまり、国内の理数教育が少し手薄になっているとか、経済格差が大きくなっていることとか、多くの報われない人々を生み出している社会情勢からか、結婚や子供を持つことをあきらめる若い世代が多く、2018年の出生率は1.0を割り込んでしまった(日本は1.4くらい)ことなどです。

 日本でも、少子高齢化に伴い今後人口減が予想されていて、将来に暗い展望を持つ人は少なくありませんが、教育に関して言えば、英語ばかりでなく、国語や算数などの学力の基盤になる教科の学習にじっくりとバランスよく取り組める状況であることは、まだ幸せなのかもしれません。

 しかし、そうだとしてもやはり日本の英語教育はのんびりしすぎてきたのは事実であり、近い将来に大きな変化が起きることが確実になってきています。その一つが、2020年度より始まる、大学入試センター試験の後継である大学入学共通テストの実施です。昨年の秋に行われた2回目の施行テストから、その全貌が明らかになってきました。

 英語について最も注目すべきは、リスニングの配点の大幅増加です。従来のセンター試験では、英語の筆記試験とリスニングの配点は200:50で、圧倒的に筆記試験重視でした。ところが新テストでの配点は、試行試験を見る限り、リーディング:リスニングで100:100となる可能性が高いです。リスニングの比率が高くなるばかりでなく、従来の筆記試験における文法問題の類は完全になくなり、長文読解問題のみになるようです。いや、今年の高校3年生、浪人したら大変なことになりますね・・・。

 どうですか?リーディングとリスニングの配点が1:1ですよ。従来型の受験勉強にあるような、英語の文法問題なんて、ほとんど何の意味もなくなります。普段から、英語の聞き取りを取り入れた学習をしていかなければ、大学入試で太刀打ちできるような英語力を身に着けられなくなってしまうのは明らかです。

 しかし、まあ、ここまでの変化を予想できていたわけではありませんが、あらためて私には先見の明があるなと自画自賛したくなります。国語道場ではもう数年前から、外国人講師によるマンツーマンオンライン英語授業のトップブランド、OLECOを導入していて、一定以上の国語力(Cグレード以上)を身に着けたお子さん方が、小学生のうちからバランスよく読む・書く・聞く・話すの英語4技能をバランスよく学習しているのですから。

 本日の勉強会の講師の一人が、「大切なことは人より半歩先を進むことです」ということを言っていました。本当にそうだと思います。

 この、マンツーマンオンライン英語OLECOを導入する際には、私もちょっと勇気が要りました。しかし、きっとこのようなものが求められるような時代になると踏んで一歩を踏み出しました。間違いなく今OLECOを受講してくれている子どもたちは、大学入試において大きなアドバンテージを得ることになるでしょう。

 これほど様々な情報があふれる中にあっても、従来型の英語教育に固執してしまう人もいるでしょう。どうかそういう方々も、現実を受け止め、将来を見通し、半歩先を進む勇気を持ってほしいと思います。

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