冬期講習だけで20万だの30万だのというような塾に子どもを通わせている親が終わってる
ちょっと前の話ですが、実業家の堀江貴文さんがあるツイートにかみついたことが話題になりました。
十数年働いているのに手取り給料が14万円しかない。日本は終わっているといった内容のツイートに対し、終わっているのはそんなことを言っているお前のほうだと堀江さんが返信したところ、たくさんの人々から反響があったという話です。
たしかに一見したところ、貧困差別のような発言に見えないこともありません。しかし、その後,堀江さん自身によって、その釈明の動画がYouTubeに公開されました。私はそれも見てみましたが、まあ、なるほどと思える内容ではありました。
ポイントは2つありまして、一つは、今の時代、同じくらいまたはそれ以上にお金を稼げる方法は、ネット上でほとんど無料で公開されていたり、安い金額でノウハウを知ることができたりして、簡単に参入できるのだから、別のビジネスをどんどん始めればよいではないかということです。もう一つは、地方で生活するなどして支出を減らし、そこそこ快適に暮らすことだって可能ではないかということです。
要は、現代のような高度に情報化された時代では、自分に必要な情報に簡単にアクセスできるようになっています。そんな中でろくに調べたり行動を起こしたりすることもないのってどうなの?ということですね。私は、なかなか堀江さんって親切だなという感想を持ちました。
翻って、われわれ塾業界。20年ほど前、チェーン個別指導塾は夏期講習だけで30万円請求されるなんて初めて聞いた時には、耳を疑いました。それも、名門私立進学校や大学医学部に何が何でも子どもを入れるためとかそういうことではなく、地元の普通の公立高校受験の勉強のためと聞いて、呆れ果てました。そんな「塾」に子どもを通わせるようなバカな人っているものなのかと思ったものですが、それを聞いた時から20年以上経った今も、全国的にはびこっています。
個別指導塾チェーンはどこもほとんどまったく同じような業態で、同じような授業料体系で経営されています。したがって、どこも同じようなことをやって、同じように法外な授業料を今日も請求し続けていることでしょう。こういう「塾」を騙ってえげつない金もうけに走る業者にも呆れますが、そんなところに子どもを通わせているような保護者に対しては、堀江さん流に言えば「終わってる」という感想しかありません。
各地域の公立高校入試なんて、競争倍率は高いところでもせいぜい2倍前後。ほとんどは2倍未満で、1.5倍とか1.3倍とかそんなものでしょう。要するに、落ちる人よりも受かる人のほうが多い入試です。その入試のために、夏期講習や冬期講習だけで30万円とか40万円とか、年間で100万円なんて支出するってどういう感覚なんですかね。
チェーン個別指導塾のセールストークに、公立高校に落ちて私立に行ったら、ここで冬期講習に30万円かける以上のお金がかかってしまうなんてものがあるらしいです。でも、だいたい、塾にいくら資金を投入したところで、入試で何一つ有利になるわけじゃないですからね。なんか、こんなトークに引っかかる人がいる以上、オレオレ詐欺みたいな「ビジネス」が成り立つのも分かる気がします。
それでも、20年以上前のように、塾などに関する情報も新聞折込のチラシとかテレビコマーシャル、あとは近所の噂話くらいしかなかった時代なら、そういう悪徳業者につかまってしまうというのもまだ分からなくはないです。しかし、現代は高度な情報社会。部屋の中に居ながらにして、塾や予備校の情報なんて手に入ります。こんなとんでもない金額のお金をかけなくても、勉強を教えてくれるスクールや人なんていくらでも見つけることができるでしょう。
チェーン個別指導塾の教室長に冬期講習で30万円請求されたとして、そういうのに対してちょっと疑問を持つようにしたほうがいいと思いますね。このブログでも何度も言っていますが、教育の最終目標はお子さんの自立です。自立した人間とは、自分で問題を設定し、その解決のために自ら情報を集め、分析し、そして自らの意思で決断して行動する人間です。子どもをこういう人間に育てることが教育なのに、親自身が自分の頭で考えることもせずに、学習・進路指導ド素人同然の教室長に言われるがままに胡散臭い講習に通わせているんだったら、それこそ「終わってる」と言われても仕方がないと思います。
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