問題読み間違いの多い子どものためには、あちこちに文字のある環境を作るのがよい
いや~、鹿島アントラーズ、惜しかったですね。
私普段からそんなにサッカーを見ているわけではないので、こんなミーハーな感想しかないのですが。
国語道場では、入り口のベンチにいつも朝日小学生新聞が置いてあります。数日前のその記事にクリスティアーノ・ロナウド選手が紹介されていたのですが、そのロナウド選手が所属するチームが日本に来ていたのですね。昨日知りました(爆)
そのロナウド選手の記事に気が付いた、サッカー大好きK君が私に質問してきました。
「この新聞、どうして『ロナルド選手』って書いてあるんですかね?ロナウドですよね。」
「え、どれどれ。本当だ、『ロナルド』って書いてあるね。」
あれ~、なんでですかね。昔ワールドカップで見たブラジル代表のこの選手
ロナウドって言いましたよね。しかし変な髪型だな・・・。
クリスティアーノ選手はポルトガル人。ブラジルも広くポルトガル語が使われていることは、中学地理でも教わります。ってことは、レアル・マドリードのクリスティアーノ選手もロナウドじゃないんですかね。
ということで、K君と一緒に調べました。Googleで検索したところ、毎日新聞社の校閲部のブログに、詳しい説明が載っていることが分かりました。
その疑問への説明になりそうな解説が、弥永史郎著「ポルトガル語発音ハンドブック」にありました。同書は音節の最後にある「l」の発音について「母音のuの音質」を帯びるとしています。実際に発音してみると、舌が上の歯茎にくっつくのですが、音としてはあまりはっきりせず、くぐもった「ル」になります。さらに「特にブラジルでは、舌先は上昇しても、歯茎に接して閉鎖を形成しないので、母音化」することもあると書かれています
へぇ~でしたね。ポルトガル語では、音節の最後にあるLの発音は、舌を英語のLの発音の時に近い位置において「ウ」という感じになると。特にブラジルのポルトガル語では、舌先が歯茎にくっつかないのでほとんど「ウ」のような音になると。
勉強になったな~と思うのと同時に、一般紙や朝日小学生新聞では「ロナルド」という表記になっていることに気が付いて、それを質問してきたK君に拍手ですね。
彼の偉いところは、そこら辺においてあった新聞の見出しや記事を見逃さずに読んでいたところです。そして、違和感を感じたことをそのままにしておかなかったところですね。こうなってくると、勉強時やテストにおいて、問題をよく読まずにミスをするなんてこともなくなっていくでしょう。
「活字中毒」なんて言葉もありますが、この中毒は、ギャンブルやアルコール、薬物のそれとは全然違って、いいことがたくさんあります。国語道場は、ある意味子どもたちをこの「活字中毒」にしちゃおうという工夫をあれこれやっています。
入り口のベンチに新聞を置いておくというのもそうですが、読書指導「ことばの学校」の教材としての本以外にも、たくさんの本や漫画を用意していて、休み時間や授業前や授業後に自由に読めるようにしています。座席の前には、興味深い新聞記事の切り抜きなどが貼ってあります。
とにかく、いろいろなところに活字があって、なんとなく目に入るようにしています。そうやって目に触れているうちに、世の中のいたるところにある文字情報について、何が書かれているのか気になって仕方がないような人にしてしまおうとしております。
活字中毒にしてしまえば、それはもう何が書いてあるのか気になってしょうがない人ですから、問題集やテストの問題文だってちゃんと読むようになります。受験や資格試験などの自分にとって重要な情報も、掲示物などからしっかり見つけてこられるようになるでしょう。
こうしたことは、習慣の問題なので、「書いてあることはちゃんと読みましょうね」なんて教えても、なかなか身につきません。粘り強く、さりげなく指導し続けることが肝心です。
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