2019年08月06日 23:18

塾生を見ていて気になることーーくしゃみを止めるな

 今日の午前中、自宅の居間で宿題をやっている小6の娘の姿を何とはなく眺めていた時のことです。彼女は、急に両手で鼻と口を覆い、クシャンと大きなくしゃみをしました。

 我が家の子どもたちは、みな大きな音を立ててくしゃみをします。それはおそらく私がいつも「へっくしょん、畜生」と、これまた大きな音を立ててくしゃみをするから、それが普通だと思って生きているからだろうと思います。

 こうして娘の大きなくしゃみを聞いて、ふと、国語道場でたまにくしゃみを抑えている子どもたちがいることを思い出しました。

 くしゃみを抑える方法はさまざまで、鼻をつまんで止めているもの、「イ゛」と何とも言えぬ短い音を鼻だか口だかから漏らして抑えるものなど、色々います。

 自分の娘が大きな音を立ててくしゃみをするのが親の私の影響なら、こうやってお子さんがくしゃみを抑えるのは、もしかするとそれぞれのご家庭の方針だったり、しつけだったりするのだろうかと思いをいたしました。

 しかし、どうもくしゃみを無理に止めるのは、健康に有害で、場合によっては危険な場合もあるようです。TBSラジオの番組の特集の記録がウェブ上にもありましたので、どうぞご高覧ください。

 くしゃみは、鼻の粘膜に付着した異物を強い空気圧で吹き飛ばすための生理的な反応で、その出口をふさげば、当然気道全体にその大きな圧力がかかることになります。気管がさけて炎症を起こすとか、気道につながっている耳の鼓膜が損傷したり、脳脊髄圧が上がって腰痛を起こすこともあるそうです。急激に血圧も上がるため、脳に動脈瘤のある人は、それが破裂して死に至ることもあると書かれています。

 まあ、子どもで高血圧や動脈瘤に悩む人は多くはないと思いますが、子どものうちからこのような習慣を身に着けてしまうと、長い人生の中でくしゃみのたんびに呼吸器系や循環器系に多大なダメージを与え続けていくことになるわけですから、健康への悪影響が心配されます。

 そんなわけで、道場生の皆さんは、ほかの人の方を向いてやるとかいうことでなければ、思いっきりくしゃみをしていいですから、そのようにお子さんにお伝えいただければと思います。

 上のリンク先の記事で、「マナー優先」という意見を言う人がいるようなんですが、私はこういう意見というか、このような考え方で生きている人が嫌いです。人間には、宇宙を理解できる知性が備わっていますが、だからこそ「マナー」なんて大して普遍性もない価値基準ではなくて、なるべく自然の法に則って生きていくことが大事だと考えます。学ぶことの本義は、本来そういうことではないでしょうか。自然の法を無視して、「マナー」なるものを優先して生きるのならば、科学を学ぶ必要はないのです。

 子どもが勉強することが大切だと考えるならば、くしゃみは思いっきり出させるべきです。

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