夏休みの宿題は終わりましたか
浪人時代、今は亡き津田沼の代ゼミに通っていたのだが、「夏休み」は予備校本科生にとっては迷惑以外の何物でもなかった。
浪人生にとって世間の「夏休み」などそもそも関係ない話だし、予備校はエアコンも完備されていたから真夏でもいつも通り授業をしてくれて何ら不都合はなかった。それなのに「夏休み」だということで予備校は「夏期講習」を始めてしまう。そうすると、通常の授業がなくなってしまうので生活のリズムが崩れてしまう。あまつさえ、ふだん通っていない講習生が大挙して予備校に押し寄せるので、自習室の空きもないことがしばしばだった。
多くのお母さんたちも、40日もある夏休みは、正直憂鬱だなあと感じるところが少なくないだろう。子どもはだらだら過ごすばかり。その一方でお母さんは毎日昼めしを作らなければならない。
学校の夏休みの宿題は、そんな中でせめて子どもに何か課題を出してほしいという家庭からのニーズによっても支えられているのかもしれない。
しかし、とにかく何か課題を出せということになると、どうしてもおざなりな内容のものも宿題として出ることになる。自由研究を全児童生徒に一律に課すのは、その最たるものだ。子どもによっては、自由な課題よりももっと基礎基本の練習に時間をかけたほうがいいケースもあるのではないか。
毎日の日記を書かせるのも、私からするとなんだかなあと思ってしまう課題。毎日何かやらせる課題を出そうという感覚が、こういうものに結びついてしまうんだろうか。そこまで子どもたちの毎日の日常を管理しなければ気が済まないのだったら、最初から夏休みなんかやらなければいいではないかと思ってしまう。
私の娘の毎日の日記の課題には天気を記録する欄がある。今やネットで天気の記録は調べられるようになっているので、書いていない分はそれを写すということになる。
去年、娘の宿題の残りを手伝っていた時、何となく自分が小学生だった頃の天気の記録を調べてみた。
1980年代初め、8月でも最高気温が30度を超える日は月の半分しかなかった。やっぱり暑くなっているんだね。
宿題代行業者がなかなか盛況だということだ。
もちろんとんでもない話だし、多くの人も同じ感想を持っているようだが、学校から出される課題が形式主義的なものだなというところが見透かされてしまうと、それにつけ込んでこういうことを考えたり実行したりする者も現れるということだろう。
報道によると、静岡県の吉田町というところでは、夏休みが10日間になるそうだ。
その分ふだんの授業時間を短くして、学校はエアコン完備にする。
批判も多いようだが、私は評価すべきことに思う。そもそも子どもたちを約40日にもわたって自由に過ごさせたいとも大人たちは思っていないのだし、学校の先生やお母さんの負担軽減になっている。前例や慣習があるにもかかわらず、よく決断したなと感心する。
周知のとおり、千葉市では今年もう8月中に夏休みが終わってしまう。
「夏休み」の正式名称は、夏季休業である。塾で行われる夏期講習と夏季休業では期と季で使う字が違う。
夏季は、夏という季節だからという意味があり、夏期には、季節は関係ないがたまたま夏に行われるからという意味がある。つまり学校の夏季休業は、夏は暑くて学校で勉強なんかしていられないからお休みというのが本来の意味である。
だから、千葉の8月末はたぶん今年も酷暑が続くんではないかと思われるが、その時期に夏季休業が終わるというのはちょっとおかしなことに私には思われる。幸町一中に至っては、8月中に第2回定期テストまで始まってしまうが、夏季休業の本来の趣旨から考えると、ちょっと理解しがたい。
こんなことになるのは日数の調整が原因なのだろうが、こういう形式主義は、おざなりな夏休みの宿題同様、まったく感心できない。
とにかくも、国語道場では実質のある勉強を子どもたちにしてもらいたいと思っている。この時期にやるべきことは、復習を中心に弱点・積み残しの克服、そして第2回定期テスト・前期期末テスト対策の学習だ。
そのためにも、学校の宿題は7月中に可能な限り終わらせ、8月は最大限この時期にやるべき課題に時間と労力を割けるように仕向けている。
今年も多くの生徒たちが、しっかりとこのタスクを実行してくれている。8月実力テスト、第2回定期テスト・前期期末テストに向け、次なる課題に向けて前進あるのみである。
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