2018年09月10日 12:28

女の子は大変

 先週は、院内の千葉聖心高校の説明会に行ってきました。

 同校の副校長先生自ら言われている通り、「模試の偏差値ランキング表で一番下の方を見るとすぐに見つかる」高校です。

 しかしながら、その副校長先生の「子どもたちに自尊心を持ってもらいたい」というお話には大いに共感しました。

 同校では、小・中学校で活躍できなかった子どもたちに学校行事等で活躍の機会があるとか、毎日「自己探求」という時間があって、それこそ小・中学校の課程で身についていなかったことなんかを学び直してできるようにする取り組みしているということでした。筋の通ったいい教育をやっておられるなと思いました。

 件の副校長先生はもともと中学校の先生をされていたそうです。現実問題、小・中学校は、スクールカーストトップの子どもたちを除いて、子どもたちの自尊心を毀損するためにあるようなところがあるのではないでしょうか。特に女子は大変だなと思います。

 女の子は、男に比べて、言語能力が高い状態で生まれてきます。それは総じて良いことではあるのですが、その分友達との間のバチバチしたある種のコミュニケーションというか、牽制し合いというか、マウンティングのやり合いのような環境に日々さらされているところがあります。そんな中で、他者と自分との強弱・優劣を計算し合って、相互の立ち位置を決めているものなのでしょう。私、男なんで、娘が学校に通うようになるまでよく知りませんでした。男子の場合、そういうものが多少あっても、あまり気にせず夜郎自大的に生きていくことは結構できてしまいますからね。

 「下の方」の子は本当に気の毒だなと思います。本当に自尊心も何も持てないというか、逆にそういうのを持とうと思って突っ張るのもしんどいから、自尊心なんて持たないようにしようと、意識的にせよ無意識的にせよなってしまうんじゃないでしょうか。

 そういう傾向を増幅するのが、小・中学校の集団一斉指導とそれを支えるための学級制だと私は見ています。

 集団一斉指導を、私は全否定するつもりはありません。高等学校や大学、一般向けのレクチャーのように、情報量が多かったり高度な内容のものについては必要だと思います。また、小・中学生向けなら、学力上位1割以上で、明確な目標を持った子ども向けとしては有効です。

 しかし、一般の小・中学校ではだめです。そもそも成り立つはずがありません。「読書指数診断」などの語彙力検査を見ても、同級生の子どもどうしでも、2学年~3学年くらいの差がある子どもたちが一つの教室で同じ授業を受けているというのが今の学校の現実です。

 一番許しがたいのは、本来自分のペースで自分に合ったやり方で教えてもらえばできるようになる子どもたちが、集団一斉指導の授業を受け続けることで、自信を失って「自分はできない」と思い込んでしまうようになるところですね。

 私は個別進度学習の国語道場のようなものこそが学校になればよいと本気で思っています。多くの人が、学級のあるのが学校だという時代遅れな思い込みから解放されて、生徒個人が伸び伸びと能力を伸ばせる学校に変わっていってほしいと願っています。

—————

戻る


お問い合わせ先

国語道場(西千葉)

稲毛区緑町1丁目27-14-202
千葉市
263-0023


043-247-7115
お電話のお問い合わせは、火~土曜日の午後3時~9時
メールは24時間承っております。