2019年02月04日 16:15

子どもがあなたの世界を広げてくれる

 ご存じの方も多いとは思いますが、ベネッセの教育情報サイトに「育児あるあるマンガ」という4コマ漫画が連載されています。そこで先日、 この ようなマンガ が掲載されていました。

 ママ友から、息子の「奇行」を伝え聞かされるお母さん。何でも息子が雨の中、傘をささずに空に向かって口を大きく開けていたのだと言います。息子に、なぜそんなことをしていたのか聞いてみると、次のように答えました。雨の中歩いていると、あるところに他の場所よりも大きな水たまりができているところがあった。そこは他の場所よりも雨がたくさん降っているのではないかと思い、そこで空に向かって口を大きく開けていたのだと。

 国語道場の生徒の保護者の方でしたら、こういうお話をお聞きになって面白い子どもだなと感じられるのではないかと思います。私もそう思いました。

 しかし、意外なのは、マンガの結末です。その少年の母親は、息子の答えを聞いてわなわなと震え、怒りを「こらえている」のです。

 正直、私はこの結末がどうにも理解できませんでした。あまりに面白いので笑いを「こらえている」のかなとも思いましたが、冷や汗のような漫符を使っていることから、そうではないようです。

 これは「育児あるあるマンガ」というシリーズですから、これを見てそのとおりだ、共感できるという親御さんは結構いらっしゃるということなんでしょうね。

 この母親がなぜ怒りに震えているのか分からないとツイッターで呟いてみると、友人の一人が、「自分の子どもの脳は自分のものと同じという先入観が無意識にあるので、子どもの理解しがたい行動を目にすると、自分がそんなことをやらないように自分の子どももそんなことをするはずがないとパニックのような状態になるのではないかと説明してくれました。

 うーん、なるほど。自分の子どもということで、ものの感じ方から考え方、行動まで自分と同じようであるはずだという潜在的な意識があるということなんですかね。子どもは現実として自分ではなく独立した個人ですからそんなはずはないわけですけど、このような子どもの奇行を目の当たりにすると、潜在的な思い込みが現れてくるということでしょうか。そして怒りの感情に結びついてしまうと。

 しかし、なんかこれは恐いなと思ってしまいますし、同時にもったいないことだなとも思ってしまいます。なぜなら、子どもの一見理解しがたい発想は、私達大人のものの味方を広げてくれるものだからです。

 私に関して言えば、自分に子どもが授かったことは、自分のものの見方、自分の世界が広がることにつながったと思っています。だから、子どもの変なことウェルカムという感じなんですよね。

 上の息子は鉄道と相撲が好きで、その御蔭で私はこれまでやろうと思っても見なかったことをすることができました。

 上の息子の鉄道好きは幼少期からのことで、立って歩くようになる前から、家の中の引き戸を「ハンホン、ハンホン」と、電車のドアが閉まるときの音をまねて開け閉めして一人で遊んでいるような子どもでした。両手の人差し指と中指をVサインのように広げ、公園の地面に突き立てて後ろ向きに歩き回り、線路を引いているつもりになって遊ぶのも好きでした。私としては息子のこのような奇行は面白くて仕方がなく、ずっと見ていました。

 子どもが鉄道好きだと思うと、どこかに出かけるときも鉄道ででかけてみようという気になるものです。息子と一緒に廃止直前のブルートレイン「はやぶさ」に乗って熊本まで行ったり、京都まで行くのにわざわざ夜行快速で名古屋まで行き、そこから関西本線で木津川経由で南から宇治、伏見方面から京都入りするとか、いろいろやってみたものです。ブルートレイン「はやぶさ」は夜明け頃に広島県~山口県の瀬戸内海ギリギリのところを走ったのですが、あの瀬戸内海の朝の風景は本当に美しかった。これが見られたのも、息子の鉄道好きのおかげです。

 幼稚園の年長の頃はなぜか大相撲が大好きになり、よく一人で砂場で相撲ごっこをしていました。何人かの力士の形態模写のようなことをやっているのですが、これも見ていて面白かったので飽きず眺めていました。

 息子を連れて両国まで本場所を何度も見に行きましたし、幕張本郷にある阿武松部屋(元益荒男関が親方をやっている部屋)に体験に行ったこともあるんです。本物のお相撲さんと、マワシを締めて朝稽古に参加させてもらい、ちゃんこ鍋までごちそうになりました。あの時はありがとうございましたとお伝えしたいですね。

 まあ、こんな感じで、まさか自分がこんな体験ができるなんてということを私は自分の子どもたちのおかげでたくさんすることができているんですね。本当に、自分の世界が広がったという点で、子どもたちに感謝しているくらいです。

 女性の方からすると、男の子というのは変なことばかりする生き物だと思われるところがあるかもしれません^^; でも、それを面白がって付き合ってみてください。間違いなくあなたの世界が広がって、より人生が楽しくなること請け合いです。

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