子どもの「問題」を作っているのは大人のほう
今は昔のことです。塾生の保護者の方からのお電話。大変な剣幕で、「もう塾を今月で辞めさせる」とのお話。
その生徒はというと、特別勉強熱心というわけではありませんでしたが、塾での取り組みは特に問題なく、宿題もたまに忘れる程度。強いて問題と言えばそれくらいで、成績も徐々に良くなっていたので、電話をいただいた時には私もちょっと驚いてしまいました。
どうなさったのかお聞きしてみると、家でボーっとしているとか、ゲームばかりしているとかとにかくやる気が感じられない。このまま塾に通わせ続けてもムダなんじゃないかなどといったことでした。
ハァーッですね。学習塾あるあるですかね。
よくよくたどってみると、要は親御さんが、子どもが自分の思うとおりになっていないのが気に入らないというだけの話だったりします。それで、実は子どものほうは自分なりに頑張っていて、じわじわ成績もよくなっているのに、親御さんが感情的になって全部ぶち壊しちゃうという。
こういうことをなさるのも、親は金を払って塾に通わせているんだから、子どもが自分の気に入るようになるように塾に求めるのは当然だという考えの方だというのなら分かりますが。まぁ、私はこういう方はちょっと嫌いかな(^^)
話題の千代田区立麹町中学校の工藤雄一先生のコラムをご紹介します。そのタイトルは、「『子どもの問題』は大人が勝手に作り出している」。いいですねぇ。保護者の反応ばっかり気にしているような学校管理職には、口が裂けても言えないようなタイトルですね。
大人が、子どもはこうあるべきだというイメージを勝手に先回りして作り上げていて、子どもがその通りになっていないことに勝手にショックを受けて、大変だ大変だと大騒ぎをしているんじゃないかということです。もっと子どもに寄り添って考えられないものなんですかねと。
よほどつらい体験を重ねてきてやさぐれてでもいない限り、人間というのは基本的によく生きたいと思うものですよ。子どもならなおのことです。だから子どもというのは、みな自分なりに頑張っているところがあるものなんです。それを親のあなたが気付けるかどうかは別ですが。
大人が、自分の目から見て「あるべき姿」と違うとか、気に食わないとかいうことで、その子どもの在り方を否定する。こういうことが子どもの成長を最も阻害しているんだということに、気づいてほしいなあと思いますね。
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