2019年10月17日 23:08

子どものうちから主体的に勉強する姿勢を身に着けるよう努めているかどうかで、今後の人生が大きく変わってくる可能性がありますね

 あらゆる子育てに共通のゴールは、子どもの自立です。したがって、子どもの自立につながらないような「教育」は間違っていると断言してよろしい。日本中あちこちに瀰漫しているチェーン個別指導塾のように、子どもに手取り足取り教えこむような「教育」など、およそ教育と呼ぶに値しないものであることはちょっと考えればわかることです。

 国語道場は個別指導の塾です。しかし、子どもたちの持っている依存心を助長しないように、自席で自らの手を動かし頭をフル回転させて、教わったことを使って問題を解かせることを大切にしています。

 チェーン個別指導塾から国語道場に移ってきたばかりのお子さん。チェーン個別指導塾では甘やかされ、手取り足取り教えこまれて、勉強するということは自分の頭を使うことだということも分かっていないこともあります。そういうお子さんの「質問」は、質問の体をなしていないことがしばしばあります。そもそも問題文をまともに読んでもおらず(しかも自覚なし)、なんとなく問題を眺めてできなさそうだと「判断」して、「この問題がわかりません」と持ってくる感じです。何を答えろと言われているのかも考えていないし、自分が教わったことの何を使えば解けるのかも試みていないという状況。

 「まあ、まず設問を音読してみようか。」というところから始まって、学ぶということは自分自身が行動すること、主体的に動かなければいけないことだということをわかってもらえるように努めています。このような形で、お子さんを自ら学ぶ人間に育てることに国語道場は腐心しております。

 OECD(経済協力機構)が最近発行した文書を読みました。人工知能の発達と経済のグローバル化が、これからの仕事のあり方を劇的に変えていくことが確実視されています。というか現時点でもものすごい勢いで変化が起きていますよね。子どもたちはこのような環境で生きていかなければなりません。その中で一生食っていけるような人間であるためには、自ら学ぶ姿勢をしっかりと持っていることが最低条件になってくるということを、この文書を読んで確信しました。今まででも、大人になってからも学ぶ人間であるかどうかが成功する条件の一つではありましたけれども、子どもたちが社会で活躍する未来においては、それが相応に食っていけるかどうかという条件になってくるイメージですね。

 まず、今後、仕事環境の激変が起こります(というか起きています)。コンピューター技術の発達に伴う仕事の自動化で、約15%の職は完全になくなってしまい、39%は大幅な変化を起こすということです。まあ、半分以上の仕事が、今まで通りではいられないということですね。だから、その変化に対応できるように「成人学習の重要性が増している」のだそうです。

 それはそうですね。まず基礎的な知的能力を持ち、そのうえで情報を収集し、それを分析する。そしてそこから自分に最適な解を見つけ出していく能力が必要です。その結果、自分にはどのような知識や経験が足りないということがわかれば、新たにそれを学びなおしていく行動力も必要です。

 日本の場合、大きなリスクがあることをこの文書は指摘しています。それは正規雇用と非正規雇用との格差です。

 まあ、そりゃそうでしょうと簡単に納得しているだけではいけません。この深刻さは、学びの姿勢にあるということです。正規雇用の労働者と非正規雇用のそれとでは、職業スキルを向上させるための訓練への参加率のギャップが大きいことが明らかになっています。日本は特にその差が他の先進国と比べても顕著だということです。

 そのような差が生まれる原因については私の推測ですけれども、

正規雇用←学歴高め←学習意欲高め

非正規雇用←学歴低め←学習意欲低め

という傾向がもともとあるのではないでしょうか。

 正規か非正規化の問題は、同一労働同一賃金の原則が広まっていくことで次第に解消することも考えられますけれども、そうすると今度は学習意欲・行動力があるかないかが、一生食っていけるかどうかのカギだと予想します。

 お子さんに、自ら主体的に学ぶ姿勢を身に着けさせること。国語道場はますます頑張っていかなければなと思いました。

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