2019年11月28日 22:32

子どもの語彙力アップには、家族そろってテレビを見るのもいいですかね、一人でネット動画鑑賞よりも

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 さて、今朝は、皿に盛られたちぎったレタスの上に前田製菓の野菜クラッカーをバリバリ割って散らしてシーザーサラダにして食べたんですけれども、前田製菓のクラッカーと言えば、

あたりまえだのクラッカー

というキャッチが有名ですよね。これは、「てなもんや三度笠」というテレビ番組の生CMで藤田まことさんが言うコピーであることは皆さんもご存じの通り。まあ、私の年齢でも生まれた時にはすでに終わっていた番組ですが。私としては、藤田まことと言えば、『必殺』シリーズの八丁堀同心 中村主水ですね。

 ふと、実際の映像を見てみたくなって、YouTubeで検索・・・。おお、よくまとまったものがありました。この番組って、当時平均視聴率が30%を超えたオバケ番組で、本当に多くの人が楽しんでいたものなんですよね。客席から子どもの笑い声も聞こえます。

 むぅ。どうですか?なんか語彙がすごくないですか?「すごくないですか」って聞き方も語彙力なさげな感じですけど。

 まず、固有名詞で「太田道灌(どうかん)」「アーネスト・サトウ」。今の中学生でこの名前を知っていたら、よほどの歴史好きでしょう。

 太田道灌扮する原哲男さんのセリフにはやや難しめの言葉が並びます。「勤皇」「佐幕」「戦乱の巷(ちまた)」「断腸の思い」

 また、「道灌」「土管」「同感」「断腸」「脱腸」のかけ言葉。

 さらに、「悲しい」「情けない」「断腸の思い」と同義語を並べ立てています。

 職業柄、なんでも教材視点でものを見てしまうのも悲しいものがありますが、これだけ豊かな言葉を使ったコンテンツが娯楽番組で、それを多くの人が楽しんでいたということに驚きを禁じえません。

 もちろん、当時の人々も、ここで言われている言葉や固有名詞などをすべて知っていたわけではないでしょう。しかし、このような豊かな言葉をなんとなく聞いたことがあるのと、まったく触れたことがないのとでは、その後の語彙知識に雲泥の差が表れることでしょう。

 「国語道場」なんて言う塾をやっているもんですから、しばしば、お子さんが漢字をなかなか覚えられませんなどというご相談をいただくことがあります。原因は様々ですけれども、よくあるケースは、そもそも今練習している言葉自体をこれまでの人生の中で聞いたことがないということが少なくありません。その言葉を聞いたこともなければ、そりゃ漢字もなかなか覚えられないでしょう。

 語彙力という点では、現代のように一人一人がスマフォやタブレットを持って勝手に見たいものを見て過ごすという状況は、けっこう危なっかしいところがあるなという気がしています。お子さんがスマフォで見たい動画を見られるように放っておいたら、本当に内容もなければ貧しい言葉のコンテンツを延々と見て過ごしているなんてことになりかねないと思うからです。

 「虚無チューブ」などと揶揄される低俗動画コンテンツに比べれば、よっぽどテレビのほうがましかなと思います。現代の娯楽番組でなかなか「てなもんや三度笠」レベルのものはないかもしれませんが、教養番組や報道まとめ番組も親しみやすく楽しめるものが多くなっています。ちょっと昭和の時代のように、家族がお茶の間でいっしょにテレビを見る時間を持つというのも、子どもの語彙力向上にはよいのではないかと思います。

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