2019年03月04日 22:37

子どもの遅刻は、「やる気がない」からではなく、しつけの問題

 連日、塾生の面談とご新規の方のお問い合わせの対応、学習のご相談を3~5件ほど承っております。大変多忙ですが、充実した毎日を送らせていただいております。

 保護者の方とのお話で、たまにお子さんの遅刻についてのご相談をお聞きすることがあります。

 「遅刻が多くてすみません」というような話であればよいのですが、「うちの子は勉強に対してやる気がない。だから塾によく遅刻していく」といったトーンだと、ちょっと心配になってしまいます。

 トップクラスの成績のお子さんで遅刻をする人はほとんどいませんが、そこそこの学力層になると、遅刻をよくすることと学力や勉強に対するやる気との間にあまり関係がなくなってきます。いつも何分か授業に遅刻してくるけれども、そこそこの成績をとっているお子さんもいれば、時間には正確だけれども勉強についてはまだまだこれから課題が多いというお子さんもいます。

 理由は簡単で、遅刻はしつけの問題であって、勉強へのやる気とは関係がないからです。

 遅刻をしてしまうのは、意志の問題というよりも習慣の問題です。例えば、遅刻をよくする人に「絶対に遅れるなよ」と年を押したとしても、結局遅刻してくるということはよくあるのではないでしょうか。これは、遅刻常習犯は遅刻をしようと思ってやっているわけではなく、時間に遅れないで集合場所にたどり着くためには、何時何分に身支度をして持っていくものを用意するなどといった行動をとる習慣がないことが原因です。なんとなく時間を過ごしていて、「そろそろ」準備をしようと動き出す頃にはすでに絶対に定刻には間に合わないような時間になってしまっている。そんなところではないでしょうか。

 子どもの習慣は、親のしつけによって形成されます。お子さんが遅刻をよくしてしまうのであれば、それはお子さんの「やる気」の問題ではなく、親御さんのしつけの問題であることを認識しなければなりません。それを「本人のやる気」の問題にしてしまうのは、責任転嫁だとも言えますし、そもそも問題の本質を外れています。

 先週あたり、Twitterでは時間厳守の人とよく遅刻をしてしまう人との論争がかまびすしかったようですね。

 この論争を見ていて思ったのは、時間を守る人からすると、遅刻をする人の心理や行動パターンは理解し難いものであり、逆もまた然りというところなのかなということです。それもそうでしょう。遅刻するかしないかは習慣に由来するものであって、習慣はそれぞれの人が自分にとっての常識だからです。

 お子さんは遅刻するけれども、自分は時間を守るという親御さんもいらっしゃることでしょう。多分、子どもが遅刻をするのは勉強に対してやる気がないからだと親御さんが思われるのは、このケースではないかと想像します。自分が遅刻をしないから、遅刻をするお子さんを理解できないわけです。しかし、これは自分が子どもに自分の良い習慣をしつけられていないだけだというふうに理解すればよろしいのです。

 教育において最も困難なことの一つが、この習慣を変えさせるということです。なぜなら、習慣とはその本人にとってはそれが当たり前のこととなっていることだからです。したがって、お子さんの遅刻癖を治そうということになれば、かなり事細かにチェック項目を設けて、粘り強く指導を続ける必要があるでしょう。まず、集合時間から逆算して家を出る時刻を決める。次に家をその時間に出られるように、着替えなどの身支度を何時何分から始めるかを設定する。さらにそこから、朝何時に起きて・・・というポイントをちゃんと教えていく。一回や二回でこのようなことがすんなりできるようにならないでしょうから、こうしたことをさらに何度も何度も監督していく。そういうことが必要です。

 まあ、遅刻は治したほうがいいですよ。最大の理由は、人生の大事な局面で会う人が時間に厳しい人だった場合、その人は遅刻する人を理解することができない可能性が高いからで、そこでやらかしてしまったら、取り返しがつかないことになってしまいますからね。

 また、上にも「トップクラスに人は遅刻しない」と言いましたが、そういう優れた人が当たり前にやっている習慣を身につけることは、お子さんの能力を最大限開花させるきっかけになる可能性が高いです。遅刻をすることとお子さんのやる気や学力はあまり関係がありませんが、良い習慣を身につけることがお子さんのポテンシャルを最大限に引き出すことにつながることは、大いに期待できると思います。粘り強く関わっていただきたいと思います。

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