2017年10月20日 11:43

子どもを勉強好きにする方法

 轟町小学校の桜の木、伐っちゃうんですね。樹齢70年と書かれていましたが、轟町小学校が出来る前からあそこに生えていた木だったんでしょうか。今年の春が最後だったとは・・・。毎年本当に素晴らしい花を咲かせていたので、残念この上ない思いですが、私が管理できるわけでもないので、仕方がないですね。

 さて、国語道場では今週から約1か月にわたる秋の面談がスタートします。これまでの学習の進捗、問題点をお示しし、目標の再設定、今後の指導方針などについてお話したり、ご相談を承ったりしています。非常に重要な機会ですので、原則として希望制ではなく、皆様においでいただくことになっております。

 面談申し込みの受け付けに際して、取り上げてほしいテーマを伺っているのですが、「子どもを勉強好きにするにはどうしたらいいですか」といったご質問を何件が頂戴しました。それについて書いておこうと思います。

 どうしたら子どもが勉強好きになるか。

 そもそも、この世のありとあらゆることのどれ一つについても学ぶことを好まない人っているんですかね?

 この間テレビを見ていたら、マンホールの蓋のマニアがいるということを知りました。最初は全く意味が分からなかったんですが、マンホールの蓋にはそれを作った主体(市町村とか企業とか)がつけた模様がありますが、古いものだと現在はなくなった組織(内務省とか)が作ったものであったり、新しいものだとキャラクターが彫られていたり鮮やかに彩色されていたりと、なかなか興味深いものだということを知りました。マンホールマニアの皆さんは、その模様から歴史を感じたり、デザインや色彩を愛でたりしているようです。

 まあ、こんな感じで学びの種なんてそこいらにいくらでも転がっているもので、誰でもなにがしかのものに知的好奇心を刺激されてハマるということはあるように思います。

 ちなみに私は最近チャイコフスキイ作曲のバレエ「白鳥の湖」にハマっています。ハマっていますと言って、こんな有名なものを今まで知らなかったのかというと、そうではありません。

 このバレエ、とにかくいろんな演出があるんですよ。ありがちなのは、最後の幕で王子と悪魔が戦って王子が勝利してオデット姫と結ばれるというハッピーエンドで、他には王子と姫が湖に飛び込んで来世で結ばれる心中パターン、最近見たのでは、オデットが頓死して悪魔が舞台裏に亡骸を運んでいってしまい、置いてけぼりの王子が呆然とするという超後味悪いエンディングとかいろいろなんです。

 これほど有名なバレエでありながら、これだけ話の筋がバラバラだというのはどういうことなんだと疑問に思い、今、本を読んだりCDを聞きまくったりしています。今週だけで全曲盤のCDを5種類買いました(一つ聞くだけで2時間半以上かかる)。いや、面白いことがいろいろと分かってきましたよ。

 私のことはともかく、こんな感じで誰でもこれはいったい何なんだ、知りたい、調べよう、試してみようという欲求はあるものです。

 そんなわけで、「子どもを勉強好き」になってほしいと思うのならば、人間を改良するかのような発想になるのではなくて、もともと誰にでもある興味・関心の発露を助ける、妨げないという考え方を持つのが大事なんじゃないかと私は思っています。

 子どもの興味・関心の発露を助ける「方法」は、いろいろなことを広く浅く体験させまくることです。

 皆さんもいろいろとやっていらっしゃると思いますが、動物園でも水族館でも、博物館、展覧会、コンサート、ワークショップ・・・。たまにはあまり興味を示さないということもあると思いますが、そんなの全然気にせずにどんどんやらせていってください。

 反対に、子どもの興味・関心を妨げる「方法」もあります。もちろんこれはやってはいけないことということになりますが。

 それは、習い事を詰め込むです。

 習い事を詰め込むのがダメで、いろいろなことを広く浅く体験させるのがよいというのは矛盾しているように思われるかもしれませんが、そうではありません。

 習い事は、何かの技術の習得を目指してやらせるものだと思います。例えば、ピアノを習わせるのであれば、ピアノを上手に弾けるようになってほしいからですし、サッカーを習わせるのはサッカーを上手にプレイできるようになってほしいからでしょう。

 しかし、技術の習得というのは、そう簡単にできるものではありません。ピアノだったら、レッスンは週に1回でも、それ以外の日も家で練習しなければ上達しません。したがって、自ずと習得させられる技術の量には限界があります。ショパンが弾けて、習字はいつも書星会賞、珠算選手権の常連でなおかつJリーグユースチームの有力選手になるとか、そんなことできるわけがないのですね。

 中には、いやいや、音楽をやらせるのは心を豊かにするのが目的で、スポーツを習わせるのは体を鍛えるのが目的なので、そんなに何でも上手になってほしいと思っているわけではないという人もいるかもしれません。

 しかし、これは私から言わせればなお悪いことで、子どもに物事にテキトーに取り組めと教えているに等しいですね。

 まれに、一週間習い事がびっしりと詰まっているお子さんを拝見しますが、およそこういう状況のお子さんに意欲的で、自らの関心・興味で主体的に動くという人を見たことがありません。習い事は、本気で習得させたいものに絞って取り組ませるべきです。

 そんな感じで、お子さんに勉強好きに育ってほしいと願われるのであれば、人間を改良しなければいけないなどと考えるのではなく、本来持っている知的好奇心が湧き出てくるのを助け、妨げないこと。そのためには、いろいろなことを広く浅く経験させることです。

 もしかして、「そういうことじゃなくて、学科の勉強を子どもが自ら進んでバリバリやるようになるためにはどうすればいいか」という意味で、「子どもを勉強好きにするにはどうしたらいいですか」とお尋ねの方もいらっしゃるんでしょうかね。

 そうだとしても、やはり様々なことを広く浅く経験させることだと申し上げます。

 学科の勉強にも熱心で成績も非常に優秀だというお子さんたちの中で、知的好奇心があまりないとか、独自の世界を持っていないなんて人はいません。いろいろなことに興味関心を持てるということは、本当の勉強好きになる必要条件なのです。そうでないのに学科の勉強を一生懸命にやっているような人がいるとすれば、単なるいい子ぶりっ子(古)でしょう。長続きはしません。

 ああ、今週末は衆議院議員選挙ですね。この国語道場のサイトをご覧になっている方で選挙にも行かないような人はいないと思いますが、投票にはお子さんを必ず連れていきましょう。こういうことの積み重ねが大切です。期日前投票だと、お子さんはプレゼントをもらえることがあるようです。

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