2019年07月22日 17:21

子育てが終わるとき

 今日は朝からZOZOマリンスタジアムに高校野球(全国高等学校野球選手権大会千葉県大会)の準々決勝を見に行ってきました。

マリスタのバックネット裏2階の後方の席が私のお気に入りです。今年はあまり心配ないですが、屋根があるので、猛暑の時も日陰で風が回ってきて快適です。しかも、遠くても意外によく見えます。

 球場に着き、券売所で入場券と『選手名簿』を買います。国語道場の卒業生をチェックして、それから息子と同じ学年で、小学校の時に少年野球チームにいた子どもたちを探します。彼らももう高3。最後の夏を迎えています。

 各校のベンチ入り20人の中に入るだけでも大変なことですよね。『選手名簿』には、各高校の3年生全員の氏名が掲載されていますが、その中にはベンチ入りできていない子どもたちも多数含まれます。皆それぞれに応援に全力を注ぐなど、自分の在り方を見つけて頑張っているのだろうと思いますが、その気持ちを察するに余りあるものがあります。これまでの経験がいつか役に立つ時が来るといいなと思います。

 第1試合の習志野高校対成田高校は、成田高校が試合の後半に驚異的な粘りを見せて、手に汗握る展開になりました。成田高校は負けはしたものの、スコアボードを見ると、春のセンバツ準優勝の習志野相手にほぼ互角の戦いをしたことがわかります。あっぱれ、よくやったと言いたいところです。

 高校野球は、国民的に大変人気のあるコンテンツですが、単なるスポーツイベントとして以上に、人生における様々な出来事の象徴を感じ取ることができるところにさらなる魅力があるように思われます。

 日本の野球選手は世界レベルで上手な人が多く、選手層も厚いですから、ほとんどの選手たちは小学校の時に野球を始めていると思います。しかし、7割がたの子どもたちはこの夏の大会で野球をやめるという話を聞いたことがあります。野球少年・少女たちにとって、この大会は野球人生の集大成であり、負ければ即「引退」という状況なんですね。

 私も、ちょっとばかり少年野球をやる子どもたちやそれを支える親の苦労を経験したことがありますが、本当に大変ですよね。それでも高校まで野球を続けてきて、この夏の大会が終わった後の感情ってどんなものなんでしょう。ぽっかりと心に穴が開いたような、悲しいような悔しいようなほっとしたような、本当に様々な感情がないまぜになって一気に噴き出してくるのだろうと想像します。今この時点で、大会に参加した163チームのうち159チームがすでに敗退しているんですけど、こんなことをいろいろと想像しながら試合を見ているものだから、試合終了のサイレンが響くのを聞くと、全然自分とは何の関係もない子どもたちの試合だけれども、なんだか泣けてきちゃうんですよね。

 野球少年・少女たちを支えてきた親御さんたちからすると、夏の大会の終わりは子育ての一つの節目でもあるのではないでしょうか。このように、夏の高校野球は、子育ての終わりの象徴でもあるように私には思われるのです。

 今まで当たり前のように一緒に過ごして、いろいろな経験を共にしてきた子どもたちとのかかわりが、突然終わる。こういうことは、野球をやってきたご家族だけでなく、どこのご家庭でもいつかは起こることです。そう思うと、子どもたちと一緒に過ごす日々を、もっと大切に生きていきたいと改めて思うのです。

 子育ての中で、思うようにいかないことがあると、ついつい感情的になってお互いの関係をないがしろにするような言動をとってしまうものです。高校野球でも見て、いつか必ず訪れる(というか来てくれなくても困りますが)子育ての終わりの時に、思いをいたすのはどうでしょうか。

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