子どもの力を侮ることなかれ
毎年この時期、3月の最終日曜日は、千葉県少年少女オーケストラの定期演奏会に家族で出かけます。塾は春期講習の期間でもあるのですが、午後を休校にさせていただいて、今年も聞きに行ってきました。
今回(第21回定期演奏会)の指揮者は、この千葉県少年少女オーケストラとの相性が一番いいのではないかと私が個人的に思っている井上道義さんでした。
井上さんの指揮(踊り?)は、音楽の雰囲気を的確なイメージで伝えているように見えます。オーケストラの子どもたちは大変技量が高いので、井上さんが伝える曲の雰囲気を感受し、反応よく再現できています。その辺に私は、井上道義=千葉県少年少女オーケストラとの相性の良さを感じます。
プログラムの前半は、ベートーヴェン作曲の交響曲第4番変ロ長調作品60。前作の第3交響曲(エロイカ)や次作第5交響曲に比べると、今日のプログラムにも書かれているように「苦悩の陰りがなく、平和と優しさと喜びに満ちあふれ、ユーモラスな気分も漂った」曲ですが、つねに動き続ける楽器間の音楽の受け渡しぶりは他の作品に漏れず健在で、演奏する側からするとかなり緊張感の伴うタフな曲のはずです。
千葉県少年少女オーケストラの定演というと、なるべくたくさんの子どもたちを舞台に乗せようという方針であるように思われるのですが、この曲に関してはメンバーを絞って演奏していたようでした。これほどの難曲を弾きこなしてしまうところに、相変わらずの技術の高さを感じました。
演奏会の様子は、4月16日(日)午後2時から、NHK-FM千葉が放送するそうです。
来年の定演はいよいよブルックナー(第4交響曲)をやると予告がありました。いや~、楽しみです。
この、千葉県少年少女オーケストラの演奏を初めて聞いたのは、もう10年以上も前のことですけれども、その時の衝撃は忘れられません。本当に子どもたちにここまでのことがさせられるのかと。
音楽でも何でもよいのですが、子どもに何かやらせるとなると、いかにも「子どもじみたもの」を期待してしまうところって、大人の側にあるように思います。
しかし、そういうスタンスは間違っているということを、彼らの演奏を聞くたびに思い知らされますね。子どもだろうと大人だろうと、ベートーヴェンをやるならそれは最高のクオリティを目指すべきだし、それは不可能なことではないのですよ。
彼らの演奏は私にとって、「所詮子どものすることだから」と、大人の側が勝手に子どもの能力を低く見積もって、「まあ、こんなところでいいだろう」なんて安易に妥協してしまうことは間違っているのですよという戒めになっているのです。
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