2017年02月03日 11:09

小学校の英語教育の概要が明らかに

 2020年度より、現在小学5・6年生に行われている「外国語活動」が小学3年生からに前倒し実施されることになり、小学5年生からは教科として英語の授業が始まることは、皆様すでにご存じのことと思います。

 1月30日付 の日本経済新聞に、その内容について具体的に報じられていました。 

「he」「she」といった三人称には小5で触れる。小6では夏休みの思い出を話し合う中で過去形を使ったり、20年の東京五輪・パラリンピックで観戦したい競技を尋ね合ったりすることで、英語特有の語順を意識して表現する

 文法に注目すると、三人称が5年生、過去形が6年生ということですから、現在中学1年生で習う事項を小5~小6の間に学ぶという感じですかね。

 ちなみに英語の文法事項は、現在、中1~高1の4年間で一通り勉強し終えるようになっています。一般的に中学で習わない文法事項は、過去完了などのいろいろな完了時制、仮定法、分詞構文です。

 文法事項の学習を小学校に前倒しするとなると、現在高校に入ってから習う内容も、中学卒業までに教わることになるのでしょうか。その点については今のところよく分かりません。

 中学生がみんな分詞構文や仮定法を勉強するとなると、ちょっと難しいのでは?といった感じもしますし、しかし、大して多くもない英語の文法事項を一通り勉強するのに小5から高1の6年間かけるのは、長すぎる感じもします。

 念のために申し上げておきますと、外国語活動が小3から、英語の教科化が小5からとなるのは、2020年度以降です。今すぐにそうなるという話ではありません。直接関係があるのは、現在の小学1年生(小5の時に英語が教科になる)と年中さん(小3で外国語活動が始まる)です。現在小学4年生の皆さんは、4月から英語が教科になるということではありません。

 ところが、ここに一つ大きな問題が出てきました。

 小学5年生の英語の教科化ですが、学校が自主的に2018年度から実施してもよいということになったのです。

 2018年度と言うと、現在小学3年生が5年生になる時の話です。この場合、今の小学3年生は事前に外国語活動の時間がないのに、小5でいきなり英語の授業が始まることになります。

 どこの小学校が英語の授業を先行実施するのか。それも今のところ全く分かりません。注意深く見守っていく必要があるでしょう。

 でも、まあ西千葉地区はありそうな気がしますね。教育熱心な地域ですので。

 小学校で英語を教えることについて私個人は、基本的に賛成という立場です。TOEFLの国別平均点でも、日本はアジアの中で最下位クラス(14ページ)であり、どう考えても今よりも英語を勉強しないという選択肢が我々にあるとは思えないからです。

 ただ、一つ注意を促しておきたいのは、外国語は、学力格差を生み出しやすい教科であるということです。好き嫌い、向き不向きによって、成績が上位と下位に二極分化しやすいのです。

 現実に、千葉県公立高校入試においても、英語の得点は、高いところから低いところに広く分布してしまっています。昨年度の入試であれば、10点台~90点台に分布が広がっています。

 日本の学校教育は、授業で教えるところまでは責任を持つけれども、教わったことが定着するかどうかは自己責任、となってなっているように思われます。だから塾のような仕事が成り立つわけでもありますが・・・。

 英語を小学校から導入すること自体はよいのですが、教わったことがちゃんと身につくかどうかは本人次第になってしまうのではないか。私は、それを心配しています。

 国語道場では、3月より、外国人講師によるオンライン=マン・ツー・マンレッスンを開始しますが、現在までにすでにたくさんの方々からお問合せをいただいております。多くの方が、お子さんが英語でつまづくのではないかということを心配していらっしゃいます。

 当面は、それぞれのご家庭で、お子さんの英語力強化を図っていくことが求められることになりそうです。国語道場といたしましては、新しく導入する英語のオンライン=マン・ツー・マンレッスンを通して、皆様のお力になれればと思います。

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