今の小学生は、大学受験の時、英語で割を食う子どもが多く出てしまう可能性が
大学入試新テストについて新たに決まったことを文部科学省が発表しています。昨日までの報道でご存じの方も多いでしょう。
特に大きく報じられているのは、英語についてです。
4技能(話す・書く・聞く・読む)を総合的に測るため、当面は入試センター(国)と民間の試験の結果を組み合わせて評価し、将来的には民間試験に一本化することを目指すと発表した
周知のとおり、現行の大学入試センター試験は今の中3が高3の時に受ける分で終了し、今の中2が高3になるときには新しいテストが導入されることになります。まだまだ検討中の課題が山積みの状況ですが、英語に関しては比較的具体的に内容が決まりつつあるようです。
国語道場のブログをよくご覧になっている方でしたらお気づきの通りで、私が4か月ほど前に書いたとおりの流れになってきました。
昨日までの報道では、今の中2が高3の時に受験する2020年12月か2021年1月に実施される新テストでは、英語の読みと聞き取りのテストを実施するので、しゃべりと書きのテストは、それまでにどこかで受けてきてね、ということになるようです。
その状態が数年続いて、最終的には、読みも聞き取りも、高3の12月までにどこかで受けてきてね、国は英語のテストをもうやりません、ということですね。
「どこかで受けてきてね」というのは、英検やTOEFLなどのことです。
しかし、これはなかなか大変なことですよ。従来であれば、センター試験が行われる1月とか、一般入試が行われる2月くらいまで受験勉強をしていたわけですが、新テストが始まりますと、英語に関しては、高3の12月までにはそれなりの級やスコアを持っている状態になっていなければならないということですから。
今、行われている英検の年間スケジュールを考えますと、大学受験までに成績の提出が間に合うのは、10月に一次試験が行われる第2回検定です。つまり、高3の10月までに英語はそれなりの級が取れるところまで完成していないと、大学を受験する資格さえなくなってしまうと考えられます。
では、「それなりの級」とはどれくらいのレベルでしょうか。
今年新設された、千葉大学国際教養学部の例から推測してみましょう。今年度入試においては、「英検準1級、TOEFL iBTで80点以上、TOEIC SWで1090点以上」とっている受験生であれば、二次試験の英語は満点として扱われました。
ここから考えてみると、千葉大のような地方の有力な国立大学に進学するためには、高3で英検2級程度を取得しておくことが最低限求められるのではないかと想像されますが、いかがでしょうか。
事態はまだまだ流動的で、英検などの外部英語資格と大学入試センター新テストとの2本立てなどというまどろっこしい構想もどうなるかはわかりません。現段階ですでに英検などの外部英語資格で入試の合否を決めている有力な大学がいくつもある状況ですから、むしろ新テストの英語なんかどうでもいいから、英検とかTOEFLのスコア持ってきて、という流れが一気に加速するかもしれません。
いずれにしても、
高3の10月までに英検2級レベル
日本国内の有力な大学を受験させてもらえる、これが最低限の基準になると言えると思います。
しかしながら、それに到達するためには、従来型の中学・高校の英語学習では大変厳しいと言わざるを得ません。現在小学校中学年以下のお子さん方は、小学校での英語活動も中途半端なまま、否応なくこうした新しい大学受験制度の中に投げ込まれることになるのではないかと危惧します。また、ご家庭によっては早いうちから子どもに英語教育をどんどんやっているわけで、そうでないご家庭との格差の拡大も懸念されます。
お子さんのためにも、学校や周囲がどうであれ、とにかく英語のお遊びではない学習を始めること、英検のような資格試験に早いうちから慣れさせていくことが必要だといえるでしょう。
—————
お問い合わせ先
国語道場(西千葉)稲毛区緑町1丁目27-14-202
千葉市
263-0023
043-247-7115
お電話のお問い合わせは、火~土曜日の午後3時~9時
メールは24時間承っております。