小学生のうちから「論理的」な文章を読めるようにする
来年2020年度より、新しい学習指導要領が小学校で実施されます。こちらについては、英語の教科化であるとか「プログラミング教育」であるとかしばしばお聞きになるところではないでしょうか。
学習指導要領の実施スタートは、まず1年目に小学校、そして2年目に中学校、3年目に高校という風になっています。ですから、来年2020年度に小学校の新指導要領がスタートし、2021年度に中学校、2022年度から高校となっていくことになります。大学入学共通テストも来年度(実施は2021年)から始まるので、来年度になったらみんな一斉に変わるのかというとそういうわけではありません。
杓子定規に新指導要領実施を進めていくとすると、現在の中3が高3の時、中2が高2の時、中1が高1になる時に新課程の教科書に変わることになります。高1の最初から新課程に入る現在の中1は問題ないとして、今の中3は高3で変わることになるので、ちょっと大変そうだなと思ってしまいます。
そんな、新課程と言ってもちょっと教わる内容が変わるくらいじゃないんですかと思われるかもしれませんが、そもそも科目自体が変わってしまうものもあるんですよ。それが国語科です。
まず必修科目が従来の「国語総合」から「現代の国語」&「言語文化」に分かれるそうです。こちらのほうは、これまで「国語総合」の中に入っていた現代文と古典・文学史を2つに分けるだけでしょうから、それほど大きな変更ではありません。変化が大きいのは選択科目の方で、従来の「国語表現」、「現代文A」、「現代文B」、「古典A」、「古典B」から、「論理国語」、「文学国語」、「国語表現」、「古典探求」に変更されるということです。
こう聞くと、次のように科目が再編されるのかなというイメージを持たれるかもしれません。
必修科目
「国語総合」 → 「現代の国語」/「言語文化」
選択科目
「国語表現」 → 「国語表現」
「現代文A」 → 「論理国語」
「現代文B」 → 「文学国語」
「古典A」 → ×?
「古典B」 → 「古典探求」
必修科目についてはだいたいそんな感じかと思いますが、選択科目の方はちょっと違うようです。もともとナゾ科目の「国語表現」は措いておくとして、
「論理国語」は、従来の論説・評論のたぐい+実社会で使われる文章
を扱うというもののようで、
「文学国語」は「現代文B」-論理的文章、つまり小説・随筆・韻文
という感じになるようです。
河合塾さんの分析によると、進学校では選択科目は「論理国語」と「古典探求」を選ぶことになるだろうと推測されていますね。
この辺については、高校生が文学的文章に触れる機会が少なくなってしまうのではないかということで、批判もあるようです。
とは言え、多くの子どもたちがそもそも文章に書かれている事実を把握するだけの読解力を持っていないという現実を踏まえると、こうした改編はやむを得ないものだったのではないかとも思います。「読む」と言ってもただ文字の上を視線が流れているだけで、何が書かれているかいったん自分の頭の中で考えて理解するという習慣のない子ども、もっとひどいと文章というよりも「文字の塊」の上をただ眺めているだけの子ども・・・。それでいて、「ちゃんと読んだの?」と聞かれれば、「はい、読んでます。」と答えるようなお子さんって、ものすごく多いですよ。
こういう、まともに文章を読む習慣のない子どもは、決して成績下位層というわけではありません。偏差値50代半ばくらいでしたら、普通にいます。そこに深刻さを感じます。
文章をまともに読むというのは、放っておいてできるようになるものではありませんから、人生のいつかの時点で叩き込んでやらないといけません。ただ、ちょっと高校生では遅すぎかなあという気は強くいたします。
実は、本日国語道場生には夏期講習のご案内を配布させていただきました。
今年の夏期講習の目玉の一つはこちら、読書指導「ことばの学校」のオプションサービス、読むとく科学です。
出版社の学研さんと「ことばの学校」がコラボレートしまして、『なぜ?どうして?科学のお話』シリーズと『なぜ?どうして?身近な疑問』シリーズを、「ことばの学校」のシステムを使って読ませていこうというものです。
副教材のワークを併用することで、楽しみながら文章に書かれている事実を正確に読み解いていけるようになるというスグレものです。
やっぱり、書いてあることをちゃんと読むという習慣づけは、小学生のうちからつけることが肝心だと思いますよ。そういう習慣が早いうちから身についている人の方が、様々な情報を正確に知ることができ、当然アタマがよくなりますからね。
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