恋せよ、中坊
国語道場の中学生の国語の授業では、おおむね月に1回作文の練習をします。
千葉県公立高校入試での200字作文の出題率は100%(要するに毎年出る)。形式的要件を満たしていれば、満点でなくとも得点に結びつくため、中1の時からしっかりと練習させています。
形式上の問題のない作文は、国語道場の生徒はすぐに書けるようになりますので、出来るだけ内容のよいものを書けるように添削指導しています。
今回のお題は、「男女の間にも友情は芽生えるか」というもの。
生徒たちの意見では、男女の間にも友情は芽生えるという意見に賛成というものがほとんどでした。
「いろいろな人と仲良くなるのは大事だから」といった、聞かれていることに対する答えになっていない理由を書いてくる者も何人かいました。こうした作文を書いてきた場合は、特に呼び出して、その点を指摘しつつ注意します。
題意から外れていない、一応「正解」の理由の多くは、「気が合う人とは仲良くなれるから」とか、「自分のクラスでは男女関係なくみんな仲良しだから」とかいったところに収まった感じです。
う~ん(-ω-;)
薄っぺらい。
何で薄っぺらく思われるかという理由は、2つ挙げられます。
一つは、「友情」と呼ぶに値するものをどう考えるか、それに対する考えが足りなすぎるところです。
クラスや近所の仲間とたんに仲良しであるとか、一緒にウェーイとやっていて楽しいとか、そんなことについてわざわざ「友情が芽生えるか」などと質問されるものだろうか?その辺をもっとしっかり考えてもらいたかったなと思います。
もっともこの辺は指導する側の問題も大いにありますので、私の課題としてもしっかりと子どもたちに伝えていきたいと思っています。
薄っぺらいと思われる理由のもう一点、それはもっと根源的で深刻なことのように思われます。それは、中学生たちがあえて“そのこと”に気づいていながら、あえてそれをスルーしているように感じられたからです。
“そのこと”とは何か。それは、恋愛感情です。テーマの、《男女の間にも友情は芽生えるか?》この「も」が大事ですね。
「友情」というものが、人どうしの真剣な交流であるとしたら、同性間ならほとんど意識する必要はないが、異性間となるとそれが難しくなるようなものがある。それが恋愛感情です。それでも、異性間に「友情」をはぐくむことができるか、というのが今回の作文で考えてほしかったところです。それをスルーしていたら、文章が表面的で、説得力のないものになっちゃうわけですよ。
作文の出来不出来はともかく、私が心配するのは、生徒たちがそれに気づきながら、あえて無関心を装っているのではないか、そこから目を背けているのではないかということですね。
内閣府が行った「結婚・家族形成に関する意識調査」によると、20代の若者の約4割が、恋人がほしくないと考えているそうです。1年ほど前の調査報告ですが、あまりに衝撃的な内容で盛んに報道されていましたから、ご記憶の方も多いことでしょう。
恋人がほしくない理由の第1位は、恋愛が面倒だからというものでした。既婚者が恋人を作ると、面倒なことになるとかそういう意味ではなく、恋愛することそのものが面倒ということですね┐(´д`)┌ヤレヤレ
面倒というのはどういうことでしょうかねえ。想像ですが、お勉強なんかと違って(と塾長が言うのもなんですが)、恋愛はキホン努力が報われないのが当たり前ですね。
あ、あの、「『努力』って、そんなもの必要でしたっけ?」という方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまで私の経験上の話です・・・。
とにかく、相手次第で報われるかどうかわからないようなことに頑張るのが嫌だ、それが「恋愛が面倒」ということの意味なのかなと思いますが、どうでしょうか。
努力が報われやすい勉強は、人生における貴重な例外。むしろ、ほとんどのことが、こちらの頑張りとは関わりなくうまくいったりいかなかったりする。でも、そういう経験において、本当の意味で人間が試されるのだと思うのです。
子どもたちには、何年も経ってから振り返っても、恥ずかしくて顔が赤くなるような恋愛をしろと、言いたいですね。
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