敬愛学園高校に行ってきた
敬愛学園高校(穴川)の塾対象説明会へは毎年出かける。なんでかというと話が面白いから。
もちろん、地元の高校ということで毎年受験生が受けるからということもあるんだけれども、合否基準なんかはこっちも正確に把握しているわけで、その手の情報だけだったらわざわざ説明会まで出掛ける必要もない。
話が面白いというのはどういうことかというと、教育についての独自のヴィジョンがあって、その成果が上手に説明できているということ。
「上手に説明」と言っても、短髪でスリムなノーネクタイの実業家みたいのがパワポのスライドを使ってとうとうとしゃべるとかそういうことではない。そういう意味では、ここの進路指導のA先生なんかはしゃべりが下手と言えるかもしれない。しかし、伝えるべきことをしっかりと取捨選択して話しきるということができているから、「説明が上手だ」という印象になる。いかに流暢にしゃべるかとかそういうレヴェルのことではなく、大学入試などのデータ分析とか生徒指導の実地での経験とか、そういったバックグラウンドがしっかりしているという印象を与えることができているということ。
国語道場は、小学生の国語記述や中学生の作文指導において、自分のこと、自分の考えを人に伝える技術を教えているわけだが、敬愛学園の説明会はそういう点においても大変に勉強になる。
ここのヴィジョンでいつも感心するのは、大局観とそこから導き出される指導方針だ。世の中がこのように変わっていこうとしている→こういう人材が必要とされるようになるはずだ→生徒たちはこのように指導していかなければならない、こういうことをちゃんと考えているなという印象を持っている。
例えば、近い将来行われる大学入試改革というのがある。今の中2より下の学年の子どもたちは、高校在籍中に基礎学力テストというのを受けることになっている。
今日聞いてきた話で言うと、高校在籍中に大学入試につながるような学力テストがあるということは、中学までの内容の積み残しは許されない世の中になるはずだと。そこで、生徒の必要に応じて高校生活の初期において積み残し対策を行わせる方針になっているそうだ。
ここの説明会でいつも感心することのもう一点は、卒業生の動向を相当程度把握していること。何年に何のコースを卒業した生徒はどこそこの大学に進み、そこでの成績はどれほどで、その後何とかという企業に就職したとか、どこそこの大学院に進学したとか、そういった話がたくさん出てくる。
卒業した生徒がどうなったかを把握するというのは本当に難しいことで、正直国語道場でもほとんどできていない。しかしながら、教育の目的が、子どもを甘やかしたり大人の思い通りに支配することではなく、子どもを一人立ちさせることにあるということである以上、塾や学校を卒業した後にどうなったかを把握することは、今来てくれている生徒の指導と同じくらい大切なことなんじゃないか。
そういうことがちゃんとできているところがすごいなと思ってしまう。
さて、ここまで敬愛学園高校をずいぶんとほめているので、塾なんて私立学校から何かもらっているんじゃないかといぶかる向きもあるかもしれない。実際今日はお弁当とお菓子をいただいた。
轟町の袖ヶ浦さんの和菓子。地元のお菓子屋さんを使うところがまたよい。
まあ、物をいただいているかというと、どの私学さんからもこうしたものをいただくことが多い。個別に生徒を紹介するとさらに何かあるのかというと、そういうことは少なくとも私の場合はない。
そんなわけで、どちらの塾さんも、何かいただいたからその学校を勧めるとかいうことはないのではないだろうか。どちらかというと、学校の説明会に出かけて話を聞き、そこの理念や実践に共感して、生徒や保護者の皆さんに勧めるのが普通なんじゃないかと思う。
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