新中学1年生、この時期力を入れるべきは中学の予習よりも・・・
千葉県公立高校前期選抜学力検査までちょうど1週間になりました。高校・学科別の出願者数も確定し、明日にも新聞発表されるでしょう。国語道場では、テスト業者さんから提供された生データに加え、一つ一つの高校・学科の受験生の偏差値の学力分布図を受験生に配布しました。全受験者中の自分の位置が一目瞭然です。
さて、この時期、4月から中学に進学する現在の小学6年生は、どのような勉強に取り組んだらよいかということをお話したいと思います。
現在小6のお子さんも3年後の今月終わりには、多くが公立高校の学力検査を受けることになります。このような問題ができるようになるために新中学1年生は、今、どのようなことをしっかりと身につける勉強をしたらよいでしょうか。
それは、断然算数の復習です。
これからの時期、多くの塾で「中学準備講座」などと称したものが開かれるでしょう。そこではしばしば中学の予習が進められることが多いです。
もちろん、英語のように中学の予習でなければ何もやる意味がない教科もあります。それはそれでよいのですが、そのほかの教科、特に数学に関しては、算数を軽視して正負の数なんかをどんどん進めていくような「準備講座」は、あまり感心できません。
なぜ「中学準備講座」で正負の数の予習を進める塾が多いのかといいますと、まあ中学の予習をするということであればいかにも「中学準備講座」らしいからとか、実は正負の数の単元を学ぶことは小6の算数よりも簡単でとっつきやすいからでしょう。小5・小6の算数で勉強したことというと、速さとか割合とか、結構難しい単元が多いですよね。この辺自信のないお子さんは非常に多いです。そういう厳しい勉強は置いておいて、正負の数を学ばせるのは楽です。新しいことといってもマイナスが新たに出てくるくらいです。やることといえば、難易度的には2+3とか、12÷4とかと同じくらいのことですから、子どもにもウケが良かったりします。なんといっても「中学の予習」と言いながら、小学校の算数よりも簡単なわけですから。
しかし、後々のことを考えると、今この時期にこんなことをやっていては、大変なことになってしまいかねません。
公立高校入試の数学。その最終問題は、毎年パズル的な問題です。数字や図形が一定のルールのもとに並べられていて、それについて問う問題が毎年出題されるわけです。数字を方程式に当てはめて計算すれば答えが出るような、中学数学問題ではありません。このような問題を解くために必要な力は、数字の並びを丹念に調べ、どのような法則性があるのかを発見し、そこから問われている答えを求めていくような、小学算数的な考え方ができることです。
高校入試まで待たなくても、中学1年生の時点でも、算数をおろそかにしているとすぐに困ってしまいます。正負の数の学習が終わると、次は文字式の単元に入るのが普通です。そこでは、速さや割合といった小学校高学年の算数で習う数字の関係性をもとに文字式を作らなければなりません。当然、速さや割合の考え方や求め方が頭に入っていなければ、文字式の前にそこから学び直さなければなりません。
中学の理科を見てみましょう。中学生の多くが苦手とする問題は、計算のある問題です。水溶液の温度を下げると何gの溶質が結晶として出てくるかを求める問題、空気中の湿度を求める問題、記録タイマーを使って物体の運動を調べる問題・・・。
お子さんの中には、こうしたことは中学校で初めて習っていると思っている人もいます。しかし、これらはすべて算数の知識を使って解くものです。中学数学ではありません。溶解度の問題や飽和水蒸気量の問題は、小5・小6でやる割合の問題そのものです。記録タイマーの問題は、これは速さの公式を使いこなせていれば、簡単にできるはずのものです。
このように、小学校高学年で学んだ算数の内容は、中学で多くの人が苦手と言っている単元に絡むことが大変多いです。しかし、小学算数をしっかりと身につけていれば、逆にこれらの単元を得意分野にすることができますから、中学で上位の成績を収めることができるようになるでしょう。
したがって、国語道場は、これから中学に進学する小6生には、みっちりと小学算数の復習を施しています。
—————
お問い合わせ先
国語道場(西千葉)稲毛区緑町1丁目27-14-202
千葉市
263-0023
043-247-7115
お電話のお問い合わせは、火~土曜日の午後3時~9時
メールは24時間承っております。