2019年11月12日 23:19

日本語ができるから勉強ができるという当たり前のこと

 日本語語彙力と正確な読解力を測定する検定である「読書指数診断」の結果が先週返ってきました。国語道場では、原則全塾生が年2回受検してもらうことになっています。

 今回の「診断」で、みごと日本語語彙力30,000語調を達成したのは、次の5名です!

緑町中2年 ひなこちゃん

花園中1年 たいこう君

緑町中1年 こうき君

緑町中1年 あみちゃん

緑町小1年 こうすけ君

 春に引き続き、今回も出ちゃいました。小学生での語彙力30,000語達成!一度に5人というのも、国語道場始まって以来で、私もとても喜んでおります(^^)/

 語彙力30,000語は、このブログでもたびたび言及している数字ですが、簡単に言うと、学年でトップクラスの中学生がおおむね身に着けている日本語語彙力です。上の生徒たちの中には、すでにそのような成績を出している者もいます。現時点でそこまでの成績を出していない場合は、近い将来そうなることが確実であるということができます。

 千葉県公立高校入試の国語科の問題は、記述や言語知識を問うもの多く、全国的に見ても難易度が高いんですね。しかし、今世間に星のクズほど存在する「個別指導塾チェーン」はどうですか?やれ、「国語はやっても伸びません」などとほざいて、とりあえず英語・数学を受講させるようなところばかりです。その実、たんに国語が教えられないだけなのでしょうが、とにかくこんなことでは千葉県公立高校入試の国語でまともな点数を取れるようにはなりません

 同時に、勉強以前に日本語力がはなはだ怪しいお子さんがたくさんいます。国立情報学研究所所長の新井紀子教授による告発の書、『AI vs. 教科書の読めない子どもたち』が発行されて2年近くになります。中高生の多くが、実は学校の教科書レベルの文章もまともに読めていない現実が明らかにされ、大変な衝撃をもって世間に受け入れられました。しかし、私はだいぶ以前から、多くのお子さんの日本語能力に疑いを持っていました。まずお子さん一人一人の日本語力を伸ばすところから始めないと、本質的な学力向上にはつながらないだろうという考えで、国語道場を現在のような指導システムに変更したのが6年前のことでした。非常に先見の明があるわけです( ̄▽ ̄)

 小学生なら、学校のテストで90点を割るようなことがたびたびあるならば、お子さんは学校の教科書レベルの文章を読めていないと思われたほうがいいです。中学生なら、実力テストの偏差値で55未満のお子さんなら、教科書レベルの文章の読解力も怪しいです。平均レベルの学力だったら、まず教科書は読めていないです。

 原因は様々ですが、その有力なものの一つは、日本語語彙力です。

 本当に、これは何度強調しても強調しすぎることはないのですが、一般的な公立小学校からそのまま中学校に進学するお子さんの場合、多くの場合中学校で学ぶ内容を理解するうえで必要な日本語語彙力が身についていません。「読書指数診断」では、毎回受検者の語彙力などのデータの集計が提供されるのですが、「普通」の小学6年生の語彙力はほぼ毎回23,000語前後で変わりません。この「普通」がヤバいんですね。

 小学校卒業時点で語彙力23,000語なんて全然足りないです。こんなんじゃ中学校の教科書に書いてあったり教師が話したりする言葉を完全には到底理解できません。しかもこの全然足りないのが「普通」になってしまっているのが日本の中学校の現実です。新井紀子教授の本で明らかにされた「教科書を読めない子どもたち」がたくさんいるという事実は、教科書を読むのに必要な日本語語彙力も身につけないで小学校を卒業して中学校に進学している子どもたちが大半であるという現実から考えれば、当然そうなるはずだと言えるものなのです。

 何はともあれ、まずは日本語力を本気で鍛えなければなりません。子どもたちに何の教育も施さずに、高度な日本語力が身につくものではありません。将来難関大学に進学できるような高度な学力は、高度な日本語力の上に成り立つものですが、そのような高度な日本語力は、後天的なトレーニング抜きで身に着けられるものではないということを、多くの親御さんたちに肝に銘じていただきたいと思っています。

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