2017年05月27日 13:42

易しいテストは「難しい」

 先日、千葉県教育委員会が、今年行われた公立高校入試の結果についてのデータを発表しました。県教委の公式サイトのものは一般の方には不要な情報も多いので、総進図書さんのまとめたデータにリンクを貼っておきます。

 前期選抜5教科合計の平均点は276.1点(前年度+18.6点)、後期はあっとびっくりの306.9点(前年度+18.2点)。国語1教科では、前期が60.8点、後期が67.2点でした。ここ10年の間、ちょっとなかった高得点でした。

 高得点だった原因は、単純に点数の取りやすい問題が多かったからと言えるでしょう。数学なんかは特にそれが顕著でした。1つの大問の中で、通常(1)、(2)と小問が進むにつれて難しくなっていくのですが、その中で易しい小問の割合が増えていました。

 テストの問題が簡単だとなると、子どもたちは「ラッキー」なんで思うかもしれませんが、もちろんそれは大甘な発想です。

 入試の合格者は、得点の高い順から合格になります。ですから、ある人が易しいテストを受けてその人なりに高い点数をとれたとしても、その人よりも学力の高い別の人が同じテストを受けた場合、その人はもっと高い点数を取ると考えられるわけですから、自分なりに「点数がよかった」と思っても、順位が変わるわけではありません。したがって、テストが易しくなったところで何ら自分にとって有利になる話ではありません

 私としては、ラッキーどころかちょっと怖いなとさえ思ってしまいます。

 なぜか。問題の易しいテストで失敗してしまうのはどういう人か考えると、それはヘタをこいた受験生ということになります。普段解けているような問題を、何らかの要因でしくじって失点してしまう。それがいくつか積み重なったらまずアウトでしょう。易しいテストは絶対にミスれない。だから怖いなと私なら思うわけです。

 上位校なら状況はなおさら熾烈です。まず周りの受験生はそうそうミスしない者ばかりでしょうから、まさにAIのような正確さと精神的なタフさが求められるでしょうね。

 今年はさすがに易しすぎたので、今の中3生が受験する来年度入試は難しくなるんじゃないかとも予想されますが、一昔前ほどの難しさまでには戻らないですかね。

 このような状況で大切なことは、なんといっても基本手順を守って普段から練習を積んでいるかどうかです。

 数学の筆算なんかを面倒くさがってしばしば頭の中でやってしまうような人は、本番で大コケする可能性が高いでしょう。正しい手順で、地道に丁寧に。こうした学習の習慣づけが早いうちから必要になってきます。

 国語道場は、もともと一人一人に対して厳格にこうした習慣づけの指導を心がけてきたので、千葉県公立高校入試においてさらに良い実績を挙げられるのではないかと期待しているところです。

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