本当の先取りとただの先走りとの違い
今日は4月8日ということで、花祭りですね。
天上天下唯我独尊のポーズ。
私が子どもの頃は、東武野田線の船橋駅の入り口に、子どものお釈迦さんの像が中央に立てられたお堂がどこからとなく持ってこられていて、通行人がそれに甘茶をかけることになっていたものです。
最近は、ご家族が熱心な創価学会員でもなければ家の宗旨も知らないというお子さんがほとんど。お釈迦さんの名前を、歴史のテストに出るからということで、ムハンマドとかとあわせて丸暗記するご時世ですよ。
子どもたちには、まずもって自分が今ここに生きていることについての血の通った学びをしてほしいなと思います。
何も熱心な宗教家になれということではないです。でも、自分の家が浄土系なのか、日蓮系なのか、禅系なのかそれとも平安仏教系なのかといったことを知っておくのは、自分と自分のご先祖さんとを結ぶ学びですよね。
どうも子ども向けのお勉強というと、こんな感じで自分の家族というのはどういうものかということを考えてみるとか、国語道場でやっている読書指導「ことばの学校」のようにどーんと地べたに根っこの生えたようなものではなくて、軽佻というかちゃらちゃらと根無し草のような方向に走ってしまうことがあるようです。
私の娘のお友達関係の中でも、何でも幼稚園の頃からかけ算九九を覚えているとか、小2の後半くらいではもう割り算をやっているとか、そういった話題がかまびすしかったりします。
私のような仕事をしていて、いろいろと情報が入ってくる人間であれば、こんな話は「くだらん」といって一蹴されてしまうようなものですけれども、やっぱり保護者の皆さんとしてはこういう話が耳に入ってくると、どうしても気になってしまうものかもしれませんね。
私の感覚だと、こういう先走った学習をやらされているお子さんの100人中96~7人は、数年以内にどうということはなくなりますね。
早期教育が子どもの知的発達において決定的な意味を持つことは定説といっていいと思いますが、かけ算九九とか割り算とか、ある程度の学齢になったら誰でもできるようなものを先走ってやらせることには、あんまり意味がないということなんじゃないかと思っています。
逆に、こういう先走り学習をヒステリックにやらせて、子どもを勉強嫌いにするリスクってのも、あながちバカにできないんじゃないかと思いますけどね。「◯◯ちゃんはもう7の段まで覚えたっていうのに、なんであなたはできないの!」とかやっちゃう親御さんって、やっぱりいるんですよね。恥ずかしいことだと思います。
早期教育で有効なのは、体験的な学習ですからね。家族でピクニックに行ったり、先祖の墓参りに行ったりすることが大事なんですよ。変な先走り教育とか、とんでも脳科学オカルト系教育とか、おかしなものが世の中に氾濫していて、どうしても一定の割合の方はこういうのに引っかかってしまうでしょうから、残念なところではあります。
ちなみに、国語道場では先取りのようなことをやっているかというと、お子さん次第で先取りになっちゃう時はなっちゃうというところです。
国語は、完全に子どもたち一人ひとりの日本語力に合わせて進めているので、一般的な意味ではものすごく「後戻り」学習をしている子は「後戻り」をしていることになるでしょう。しかし、反対に、とてつもなく「先取り」になっている子はそうなっています。
まあ、これは、国語のような科目を、本人の現状の力を無視して、「学年相当の」物を与えるというやり方がそもそも間違っているわけでして、子どもの一人ひとりの力に応じて、それを伸ばすような指導を極めれば、自ずと学年に関係なくなっていくということです。
国語道場の生徒は、実は算数の受講者も非常に多いのですが、これなんかはあえて先取りをさせるつもりはなくても、どうしても先取りになっていってしまうお子さんが自然と現れてきます。
先日全日程を終了した春期講習なんかもそうなんですが、国語道場では夏期講習や冬期講習などの講習時は、これまでの学習内容を完璧に身につけさせるための復習に力をおいています。
復習を毎度毎度の講習時にやっていくので、そのうちにどの単元も基本事項を完ぺきに身につけていけるようになるのですね。そうすると、もう先取りをせざるを得なくなってきますよね。
こんな感じで、国語道場では、算数のような科目だと、完ぺきな復習の末に、自ずと先取りになっていくという感じですね。
国語道場は、本当に身についているのかいないのかもわからないような状態で、へらへら先に進めるだけのような先走り学習はやらないです。これまで学んだ内容を完ぺきにマスターできるようにしていけば、子どもたちが勝手に頭角を現してくれるようになるものだと思っています。
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