2015年12月03日 10:45

校門配布の消しゴムを使う子どもの成績が上がらないのはなぜか

 轟町中1・2年の中間テストが返ってきている。今回は私の中で仕上がりが不十分で、結果を心配していたのだが、昨日までに報告があった分については皆点数がアップしていた。

 順位が判明するまではいいか悪いかまで判断できないが、やはり国語道場のように普段から5教科やっている成果はあるのだろう。

 これが塾では普段英語と数学だけしかやっていないとなると、テスト直前期まで国語や理科・社会の学習時間が0に近いなんてことになる。これじゃあ数学と英語だけはなんとかなったが、5教科合計ではダダ下がりだなんてことになりかねない。

 国語道場のように普段から5教科やっていれば、その積み重ねで合計点が伸びてくるということになるのだ。

 もちろん、今回テスト前までに完璧に仕上げられなかったところがあったことは大きな反省点。ここをしっかりと修正していかないと次はないなあと、今から気持ちを引き締めている。

 さて、先日は竹尺のことを書いたので、今日はそれに関連して文房具ネタを。

 以前、学校案内の本を読んでいて、某市立高校の紹介のところで、こんな生徒の声が紹介されていた。

 曰く、「校門ではしばしば塾や予備校が文房具を配布しているので、3年間それは買わなくても困らない」と。

 いや、もうこんなやつ絶対ろくな大学に受からなかっただろうなと思う。

 国語道場でも、近隣の塾さんが配布した消しゴムなどを使っている生徒がいる。正直、こういうのは感心しない。

 これは、うちの塾で明光義塾の消しゴムなんか使ってるんじゃねーとか、そういう尻の穴の小さい話ではない。

 自分が気に入って使っているのではなく、タダで配られているようなものを何も考えずに使うような人は、多くの場合成績も上がらないだろうなという実際的な話。

 まず考えて欲しいのは、文房具は学生・生徒にとって「商売道具」だということ。

 それは、音楽演奏家にとっての楽器、野球選手にとってのグラブやバット・スパイクシューズなど、兵士にとっての銃、それと同じくらい大切でなくてはならないもののはずだってこと。

 そういう大切なものは相当のこだわりを持って選び、その手入れをきちんと行うことは当たり前のことだ。

 どこの高校に進学するか。これはかなり深刻な問題で、それ次第でどこの大学に入れるのか、その結果どこに就職できるのかというところまでかなり影響してしまう。そういう意味で高校入試は人生の7割方決まってしまう重要なイベントだと言っていい。

 その大切なイベントのために必死になって準備をするのはこれまた当然のことだ。中学生の日々の勉強は、つまるところそれである。

 その勉強で使う「商売道具」、それが文房具だ。それにどんな道具を使うのかということは、本来重大な問題であるはずだ。タダで配られている、どういうものかも分からないものを平気で使えるという感覚の方がおかしいのである。

 私は、大学受験に臨んで、当時出始めた三菱のマークシート用鉛筆と消しゴムを使っていた。受験勉強の中あれこれ実際に使ってみて、自分にとってベストだと思えるものにたどり着いたのがこれだった。普段の勉強でも使用して慣れておき、本番で使う鉛筆から補欠まで決めたものだ。吹奏楽やオーケストラで、オーボエやクラリネットなどリード楽器の奏者が、譜面台の裏に本番用と予備用のリードを忍ばせているような感じだ。

 それくらい入試本場でベストのパフォーマンスができるように必死だったってこと。

 そういえば、国語道場にも塾に来るのに筆記具を忘れるとんでもない生徒もたまにいる。それでも速やかに学習に入れるように、貸出用の鉛筆や消しゴムは置いてある。いろいろな事情で忘れてしまうということもあるだろうからね。

 でも、忘れ物の常習犯ともなると、あろうことか借りたものをそのまま持ち帰ってしまうなんてこともよくある。たいていそういう生徒はその後返却することもなく、そのまま使い続けていたり、失くしてしまったりする。そういう子のペンケースをガサ入れすると、友達の文具を借りパクしていることがよくある。自分の使うものにこだわりがなく、大切にもしていないのだろう。

 定期テストや模試、本番の入試でベストを尽くしたいなんて本気で思ったこともないのだろう。そういう気持ちがあれば、人の道具を借りて使うとか、自分で選んだものではない道具を使うことに、強烈な違和感を覚えるはずだ。

 また、しょっちゅう忘れ物をする、自分のものも人のものもわからないような子どもは、前日準備のような習慣もできていないだろうことは容易に想像できる。

 校門配布された消しゴムなんかを使っている子どもたちには、総じてこういうところがあると思う。まず、彼らがそのもらった消しゴムを最後まで使い切っているというのを見たことがない。その一方で、そういうもらいものの消しゴムは、生徒の落し物の代表だ。落としたことにも気づかれないし、落とし主も探そうともしないものだ。

 要するに、タダで配布されている文房具をあまり考えもせずに使うということは、学業不振に陥りやすい生活傾向に近いということだ。

 子どもが校門配布の消しゴムなんかを平気で使っているようであれば、自分が使う道具への思い入れがなく大切にしていなかったり、前日準備などの生活習慣がしっかりとできていなかったりしないか注意したほうが良いと思う。そういうことを放置していると、たかだか50円かそこいらの文具をもらって得した気分になって、実は大変な人生における大損をこいていることになりかねないと思う。

 もっとも、まれにたまたまもらった文具が非常に理想的であったりすることがある。私も、郵便局の据付のボールペンがとても書きやすいと思ったことがある。そういうときはそれと同じものをさがしもとめて、こだわって使い続けるといい。

 無料配布品がたまたま理想的な道具であると気づけている。その時点でその人は、自分にとって理想的な道具を探し求めるこだわりの人であり、ものを大切に使い、学業で結果を残せる生活習慣を持っている人だと言える。

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