2019年07月23日 23:13

短期間でどうにかできる数少ない場合とそうでない大多数の場合

 夏期講習の時期になるとちょくちょくいただくお問合せに、「国語力がないので、夏期講習を受講させたい。夏休みの短期で国語をどうにかしてほしい」というものがあります。

 お問合せの段階でお子さんの状況がつまびらかに分かるわけではないのですが、お引き受けすべきかどうかためらわれるお話ではあります。というのは、短期間でどうにかなるケースとそうでないケースがあるからで、たいていの場合短期ではどうにもならないケースが多いです。

 どうにかなるケースというのは、もともとお子さんに相応の力がある場合です。コツとポイントを教えてもらえばそれをすぐに実践できる程度の力があるお子さんの場合ですね。短期間で一気に伸ばすというと、英語の海外研修みたいなものがあります。あれと似たようなものだと思っていただけるといいと思います。そもそも日ごろから英語の勉強を相当積んでいて、語彙力、読解力、書く力もあるが、あとは英語をしゃべる瞬発力を身につけたいという状況の人だと、本当に数週間の集中研修でかなり伸びますよね。

 国語についても同様です。短期でどうにかなるのは、その時点でそれなりに力があることが大前提になってきます。

 過去にうまくいったケースを挙げると、小5時点で語彙力30,000語超、国語の偏差値は常時60代後半以上というお子さんで、県立千葉中の作文指導。もともと書くことを苦にしておらず、何か書けと言われれば書く力がありました。しかし、適性検査や入試の作文としてアピールすためには重要なポイントが欠けていました。そこで、その点について指摘して練習させたのですが、結果はみごと合格でした。 

 現実には、国語力がないのでどうにかしてほしいという場合、こういう状況であることはまずないように思います。そもそも日本語語彙力が不足気味であるとか、語彙力に問題がなくても文章になると意味が分からなくなってしまうとか、書かれていることをまともに読む習慣がないとか、読んで理解したことを自分の言葉でまとめて言ったり書いたりする力がないとか、何らかの点で本当に「国語力がない」場合が多いのではないでしょうか。そうなると、短期間でどうにかするのは大変難しいです。

 語彙力がないならばそもそも基礎から力をつけていかなければなりませんし、字をただ眺めるだけでまともに文章を読むことができていないならば「読む」という習慣を変えるという大変な難事業が待ち受けています。要約が苦手ということでしたら、相当量の練習が必要です。短期間に要領よく教えてできるようにするということは、残念ながら私にはできませんm(__)m というか、本当にそんなことができるという人がいたら、お会いしたいですね。

 お子さんの「国語力がない」ことを本気でよくしていこうと思われるのでありましたら、腹を括って長期的に取り組まれることをお勧めいたします。結局それがいちばんの「近道」です。

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