私立高校に進学する場合の公的支援金
11月は、中3受験生にとって、私立高校の受験校を決めなければいけない時期です。
12月半ばに中学校の先生と私立高校の先生たちとの間で事前相談が行われるからで、第1志望であれ第2志望以下であれ、推薦制度を利用して私立高校を受験する場合は、11月は時間的にリミットです。
以前の記事でも触れたのですが、千葉県は、公立高校全体の定員数が、その時々の中学3年生の人数の7割程度に設定されているので、約3割の受験生が、私立高校に行く「しくみ」になっています。
これがよいことかどうかはともかく、公立高校進学を希望していても、場合によっては自分が私立に行くことになるかもしれないということを頭に入れて、しっかりとした受験校選びをすることが大切です。
私立というと、やはり学費が気になるというのが人情というものでしょう。入学手続きで30万円弱、年間の学費が50万円弱で、初年度納入金は70~80万円というところが相場でしょうか。
しかし、平成22年4月から、私立高校の生徒に国や県から就学支援金が支給されるようになりました。以前に比べると経済的な負担は多少軽減されているようです。
これまでに何度か、「支援の受けられる高校はどこですか」といったお尋ねをいただいたことがあるのですが、これは公的な支援ですので、千葉県内の私立高校に通う千葉県民であれば、どなたでもどの私立高校でも受けることができます。
受けられる支援の額は、お子さんの生活する世帯年収に応じて変わります。より正確に言うと、支援額は、市民税所得割の額に応じて決まります。しかし、この辺がちょっとわかりにくい気がします。
というのは、ほとんどの皆さんが住民税を給料から天引きされているので、そもそも市民税所得割というのがいくらなのかもふつうよくわからないからです。
正確には、区役所に行って納税証明書を発行してもらうことで確認できます。しかし、いくらくらい支援が受けられるのかを確認したいだけなのに、わざわざそこまで手続きをするのは面倒かと思いますので、住民税の額からどれくらい支援が受けられるかを計算してみました。計算の仕方は、千葉市西部市税事務所の方に電話して確認しましたので、間違いないと思います。
住民税年額 | 住民税月額 | 授業料 | 入学金 | その他 |
60,000円 | 5,000円 | 無料 | 50,000円 まで |
年67,000円 支給* |
145,500円 未満 |
12,125円 未満 |
無料 | 50,000円 まで |
|
317,500円 未満 |
26,458円 未満 |
授業料の2/3-14,850円 | 全額負担 | |
352,500円 未満 |
29,375円 未満 |
授業料の2/3-9,900円 | 全額負担 | |
567,000円 未満 |
47,250円 未満 |
授業料-9,900円 | 全額負担 |
*働いていない15~22歳の兄弟姉妹がいる場合は、138,000円
住民税の年額は、毎年5月ごろに会社から「決定通知書」なる細長い紙が配られていますので、それで確認します。それがない場合は、毎月天引きされている住民税額から調べます。ただし、住民税の月額は毎月均等ではないので、上の表の「月額」はあくまで参考程度に見てください。
これだけ見ると、「あら、私立でもほとんど授業料がかからないのね」と思われるかもしれませんが、ご注意が必要なのは、「授業料」、「入学金」名目以外のお金は自己負担になることです。
どういうことかと言いますと、ほとんどの学校では、入学手続き時に入学金のほかに施設◯◯費などの名目で十数万円が必要になりますが、こちらの方は全額自己負担です。また、月々の授業料のほかに施設△△費などの名目で1万数千円程度支払う必要がありますが、こちらも全額自己負担になるということです。
もう一点ご注意が必要なのは、これららの支援金は入学後の手続きによって支給されるということです。
つまり、まず入学手続きの時点では、入学金も含めて全額いったん納入しなければなりません。そして入学後の手続きを経て、免除される入学金が返されることになります。また、手続きをしなければ、支援は受けられませんので、学校側からもお知らせがあるとは思いますが、必ず手続きを行ってください。
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